中学校で習う漢字三体字典 Part11

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

51. [][エン][つや][画数:19画][部首:色]

麗繊巧えんれいせんこう

 たとえば、日光東照宮の装飾などは、この言葉がぴったりくるのかも知れません。煌びやかな繊細な技巧をこらしているものを言うのですから。残念ながら映像や写真でしか見た事がありません。
 私は繊細な技巧は凄いと思いますが、煌びやかな物にはあまり惹かれません。これこそ、好き好きすきずきですけどね。
 例えば、刀のこしらえに施されている、つばとかさや、あるいはつかなんかには、心を惹かれます。それでもあまり煌びやかな装飾を施してあるものを好みません。どちらかと言うとシンプルな物を好みます。

楷書 行書 草書

52. [][オ][けが-す][けが-れる][けが-らわしい][よご-す][よご-れる][きたな-い][画数:6画][部首:水]

名返上』

 この言葉は、よく間違えて「汚名挽回」と言われる事がありますが、汚名は挽回しても、汚名の上塗りになってしまいます。元の状態にもどすのが挽回ですから。
 挽回と言うと、名誉を挽回する場合に使います。これだと、挽回すると名誉のある時に復帰する事ができます。
 ですから、受けた不名誉な立場、例えば万年最下位の人やチームが優勝した時には、汚名返上することになります。
 私の場合は、名誉を受ける立場になった事もありませんし、不名誉な事を言われた事もありませんから、何と言えば良いのでしょう。

楷書 行書 草書

53. [凹][オウ][画数:5画][部首:凵]

凹凸おうとつ

 これが、漢字、と思いました。記号のような気もします。確かに書いて見ると、漢字の筆運びで書く事はできます。
 昔眼鏡を販売していましたから、馴染みはあります。凹レンズが近視用の眼鏡に、そして凸レンズが遠視、あるいは老眼鏡に使います。

楷書 行書 草書

54. [][オウ][お-す][お-さえる][画数:8画][部首:手]

しても駄目なら引いてみな』

 この言葉の語源は、一節ですが、水前寺希子さんの歌の曲名ですね。作詞が星野哲郎さんですから、すごく哲学的な言葉を使ったものだと感心してます。
 どうも夜の酒場での出来事を歌詞にしたらしいのですが、世の中には思い込むと、違った方法が取れない場合もあります。そんな時は、少しやり方を変えると、意外と解決できる事もあります。
 確かに押すドアを引いて、なかなか開かない場合もありました。

楷書 行書 草書

55. [][オウ][画数:8画][部首:日]

『食欲盛』

 私は、小食なので沢山食べられる人はいいな、と思います。小さい頃から虚弱な体質だったのは、その為かも知れません。
 長生きする人は、私の知る限りでは大食漢とまではいかなくても、よく食べる人が多いと思っています。
 ただ、昔いた会社で、社員の話を聞いて驚いたことがありました。
 給料のほとんどを食費に当てるらしいのですが、内容を聞くと贅沢している訳でもなく、ただただ沢山食べるのです。
 食べている物は、コンビニ弁当が殆どだと言っていましたから、現在の価格で考えると、一食分500円程度でしょう。三食で1500円だとしても、30日で45,000円ですが、それが20万円近く消費するのですから、普通の人の4倍は食べます。
 それでもお腹が空くと言うのですから、こんな食欲旺盛な人も可哀そうだと思いました。何でもほどほどが良いですね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の51.~55.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【艶】色部(しょくぶ)・いろ
  2. 【汚】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  3. 【凹】凵部(かんぶ)・かんにょう・うけばこ
  4. 【押】手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【旺】日部(にちぶ)・ひ・にち・ひへん・にちへん

 ・・・・つづく。