小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
111. [制][セイ][画数:8画][部首:刂]
『左を制する者は世界を制す』
私が空手道に足を踏み入れた時は、まだボクシングのジャブのような突き方は無かったと記憶しています。
確かに順突きと言う足が出ている方の手で突く事はあったのですが、刻み突きと言う方法は、試合が行われるようになった、昭和30年から昭和40年頃に使われるようになったと思います。
しかし、これも地域差や考え方の違いがあって、私などは、ちょっと違うと感じていました。その理由は、当時は空手は一撃必殺が本分だったからです。必殺とまではいかなくても、必倒を心がけて毎日巻き藁に向かっていました。
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112. [性][セイ][ショウ][画数:8画][部首:忄]
『習慣は第二の天性なり』
私は、習慣こそが自分のものにする一番の近道と思っています。天分が備わっている人は別ですが、備わっていない人にとっては、日々の習慣こそが自分を作ってくれます。毎日の食生活のように。
食べたものは、概ね自分の身体に変わって行きます。習慣も初めはぎこちなくても、次第にあたかもそれが自然であるような言動になります。
言葉も、行動も生活の中に溶け込んでこそ使い物になるのではないでしょうか。
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113. [政][セイ][ ショウ][まつりごと][画数:9画][部首:攵]
『苛政は虎よりも猛し』
この言葉は孔子の言葉から来ています。
「孔子過泰山側 有婦人哭於墓者而哀 夫子式而聽之 使子路問之曰 子之哭也 壹似重有憂者 而曰 然 昔者吾舅死於虎 吾夫又死焉 今吾子又死焉 夫子曰 何爲不去也 曰 無苛政 夫子曰 小子識之 苛政猛於虎也」【出典:礼記 檀弓下】。
簡単に訳すと、「孔子が泰山のそばを通った時、墓の前で哭いている婦人をみて、弟子に何故哭いているのか問わせた。その婦人は義理の父、夫、息子までも虎に食い殺された、と原因を話した。なぜどこか他に行かないのかと再び聞くと、苛政が無ければ、と言った。孔子は『苛政は虎よりも猛し』と言う事を覚えておきなさいと弟子に言った。」そんな話です。
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114. [勢][セイ][いきお-い][画数:13画][部首:力]
『決河の勢い』
長年の経験から人は河川の近くに住居を構え、幾度かの氾濫を体験し、河川に堤防を築いたのでしょう。しかし、最近の豪雨はその堤防をものともせず、決壊してしまいます。
そんな時代に突入したのかも知れません。異常気象が当たり前の時代に。
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115. [精][セイ][ ショウ][画数:14画][部首:米]
『精神一到何事か成らざらん』
私は「無心の前の一心」とよく言います。この一心はまさに精神を統一させて雑念を払う事に他なりません。
何か事を為そうとした時、覚悟を決めて一心不乱に精力を傾けたら、何か成果が生まれると思います。
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