学校で習う漢字三体字典【小学五年生編】Part150

 小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

106. [状][ジョウ][画数:7画][部首:犬]

『白状』

 白は申すと言う意味で使われていますので、この場合は事のなりゆきを洗いざらい話すと言う事になります。
 状は、なりゆきや姿・形、あるいはその様子や有様を言います。
 免状の場合は、ある状態を許す証です。例えで言えば空手道の場合の段位の免状は、その段位に相応しい事を証明するために発行します。
 段位を取得し免状を持っている人は、常にその段位に相応しい言動を心がける必要があると思っています

楷書 行書 草書

107. [][ジョウ][つね][とこ][画数:11画][部首:巾]

おごる者は心に貧し』

 奢る者とは、贅沢な生活を好む人の事を言いますが、そんな人は、満足する事もなく常に心は貧しいのでしょう。
 この言葉を調べていて、気が付いたのですが、人にご馳走したり、人の食べた分の支払いをする事も「奢る」といいますね。
 別に贅沢を好む人ばかりではないと思うのですが。

楷書 行書 草書

108. [][ジョウ][ セイ][なさ-け][画数:11画][部首:忄]

『今のけは後の仇』

 安易な同情は、反って相手の為にならず、後になって害になる場合があると言う言い伝えですが、そんな事が随分あったのだろうと思います。この言葉が残っているのですから。
 私は若い頃は、自分の身に余る事でも手を貸す方でした。しかし、いつの日か自分が出来ない事は、断れるようになりました。結局出来ない事に首を突っ込むと、相手にも自分にも良い事はないと考えています。

楷書 行書 草書

109. [][ショク][シキ][お-る][画数:18画][部首:糸]

『数を言うまい羽りの紐』

 「数を言うまい羽織りの紐よ、かたく結んで胸に置く」という俗謡から。【出典:ことわざ辞典ONLINE.】とありました。
 口数を慎む事を戒めている言葉です。胸に突き刺さる言葉です。確かに思い出すと赤面する事の方が多かったように思います。

楷書 行書 草書

110. [][ショク][画数:18画][部首:耳]

人貧乏人宝』

 「器用貧乏」と言われた事が何度かあります。時計屋の息子として育ちましたから、身近に道具があり、使う事も自然にできました。知らない間に結構手先が器用になったのかも知れません。
 また、気質も職人に向いているのでしょう。一時的に人の役には立てますが、用が終われば必要のない存在です。
 それでも、何かできる事に興味もあり、楽しみなのでしょう。あまり自覚する事もなく。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学五年生の文字の106.~110.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【状】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  2. 【常】巾部(きんぶ)・はば・はばへん・きんへん・きんべん
  3. 【情】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  4. 【織】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  5. 【職】耳部(じぶ)・みみ・みみへん

 ・・・・つづく。