学校で習う漢字三体字典【小学五年生編】Part144

 小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

76. [][ザイ][つみ][画数:13画][部首:罒]

を憎んで人を憎まず』

 言葉としては理解できますが、実際に被害者、あるいはその家族、友人知人にとっては、加害者を一生許す事は出来ないかも知れません。
 多分自分自身もそうだとは思います。
 ただ罰は、人間が社会生活を円滑にするために作った知恵です。ですから、そのルールに反する人がいても不思議ではありません。
 勝手な考え方かも知りませんが、私は、一種の病気が犯罪を誘発するのではないかと思っています。
 でなければ、理解出来ない犯罪が多すぎます。それとも、個人の自由を主張しすぎた結果なのでしょうか。

楷書 行書 草書

77. [][サツ][ サイ][ セツ][ころ-す][画数:10画][部首:殳]

『一筆抹

 帳消しにする事だと思います。一つの過ちでその人が過去に残した功績や美徳を消し去っても良いのでしょうか。
 軽々しく破棄する事は、やはり問題ですが、過去に行った事と、何かの過ちを比べて、やはり過ちが勝る場合は、どんな美徳も功績も消えてしまうと言うものです。
 何十年も積み重ねて得た信用も、一瞬のうちに消え去るのが、不用意な過ちであることを忘れてはならないでしょう。

楷書 行書 草書

78. [][ザツ][ゾウ][画数:14画][部首:隹]

魚の魚交じり』

 アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」と逆の言葉です。
 大物の中に小物が混じっている、分不相応な者がいる例えです。
 実際の世の中では、高下駄を履いて、背伸びをして暮らしている人達も多く見てきました。きっとしんどい人生だと思います。
 書いて字のごとく、分相応が一番。

楷書 行書 草書

79. [][サン][す-い][画数:14画][部首:酉]

を嘗めるしんさんをなめる

 嘗めると言うのは経験する事と理解できます。辛く苦しい事を経験する事だと思います。
 長い人生、良い事も悪い事もあると思います。これも自分の感覚ですから、辛い事や苦しい事ばかりの人生だったと考える人もいるかも知れません。
 しかし、人間は希望を持つ事ができます。辛い経験や苦しい時を体験すると、経験がその後の人生の知恵となってくれると信じています。

楷書 行書 草書

80. [][サン][画数:15画][部首:貝]

『自負自

 「自画自賛」と同じような意味で使います。そんなつもりはなくても、自慢話が意図しなくても出てしまう事もあります。聞く人によっては、単なる思い出話を、自慢話に聞いてしまう人もいます。
 「自負」は自分の才能を優れていると思ってしまう事ですから、大概は「井の中の蛙大海を知らず」で、世間知らず、経験不足から生じると思います。
 しかし、謙譲の美徳と言いますから、自賛することのないよう心掛ける事にしましょう、逆に恥をかく事になります。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学五年生の文字の76.~80.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【罪】网部(もうぶ)・あみめ・あみがしら・よんがしら
  2. 【殺】殳部(しゅぶ)・ほこづくり・ほこ・るまた
  3. 【雑】隹部(すいぶ)・ふるとり
  4. 【酸】酉部(ゆうぶ)・とりへん・ひよみのとり・さけのとり・とり
  5. 【賛】貝部(ばいぶ)・かい・かいへん・こがい

 ・・・・つづく。