学校で習う漢字三体字典【小学五年生編】Part136

 小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

36. [][ギャク][さか][さか-らう][画数:9画][部首:辶]

もまた真なり』

 この言葉を数学的に捉えている人がいます。例えばA+B=Cであれば、C-B=Aが成り立つと言うように。これはあくまでも数学[整数]としての正解です。そして、見方を変えるという点では、この言葉と合致しています。
 ではこれはどうでしょう。AのB乗=Cの場合、A=3、B=2の場合、c=9になります。しかし、Aが-3の場合でもCは9になります。と言う事は、C=9の時、A=3とA=-3の二つの答えになります。逆もまた真と言う事にはなりません。
 数字に余り馴染まない人には、よく解らないと思いますので、もう一つ例を挙げて見ます。
 私は男で禿げている、だから男は禿げている、と言うとおかしいと文句を言う人の方が多いと思います。逆もまた真と言う場合には、それなりの根拠がしっかりしていないとならないでしょう。

楷書 行書 草書

37. [][キュウ][ ク][ひさ-しい][画数:3画][部首:丿]

離を切る』

 「きゅうりをきる」と読みます。間違って、胡瓜を切ると思わないように。いわゆる勘当すると言う事、または、親族の縁を断つ事をいいます。

楷書 行書 草書

38. [][キュウ][画数:5画][部首:日]

傾蓋けいがいの如し』

 色々な人に会って来ました。中には初めて会ったのに、旧知の友と思えるほど親しくなる人もいます。そんな人は肌が合うのか気を許せます。
 多分そんな人を見分ける能力が人間には備わっているのかも知れません。

楷書 行書 草書

39. [][キュウ][すく-う][画数:11画][部首:攵]

『同舟相う』

 この言葉のように、立場が同じ人同士、いざという時助け合えれば良いのですが、自分だけ助かろうとする人の何と多い事か。世も末です。

楷書 行書 草書

40. [][キョ][い-る][画数:8画][部首:尸]

鵲巣きゅうきょじゃくそう

 もともとの意味とは違う意味で使われますが、世の中には人の手柄を横取りして地位を得る人もいます。実際にこういう人が近くにいると、流石に腹立たしい気持ちになります。
 ちなみに、「女が嫁いで、夫の家をわが家とするたとえ。」【出典:新明解四字熟語事典 三省堂.】と、その意味が書かれていますが、私はそれより、「軒を貸して母屋を取られる」と言う例えの方が、この言葉に相応しいのではないのかと思います。
 実際に、そんな人がいました。悪気はないと思うのですが、あまりにも、常識が無さすぎます。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学五年生の文字の36.~40.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【逆】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう
  2. 【久】丿部(へつぶ)・の・はらいぼう
  3. 【旧】日部(にちぶ)・ひ・にち・ひへん・にちへん
  4. 【救】攴部(ぼくぶ)・ぼくづくり・ぼくにょう・のぶん・しぶん・とまた
  5. 【居】尸部(しぶ)・しかばね・しかばねかんむり・かばね・かばねだれ

 ・・・・つづく。