学校で習う漢字三体字典【小学五年生編】Part135

 小学校五年生で習う、193字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

31. [][キ][よ-る][よ-せる][画数:11画][部首:宀]

『君子 危うきに近らず』

 若い頃からこの言葉は知っていました。そして、空手道は君子の武道とも言われていました。
 にも拘らず、危険な所に吸い寄せられるように、足が向かった時期もありました。決して今思うと褒められた事ではないと、心からそう思うようになりました。
 君子かどうかは別にして、人生の短さを考えた時、蛮勇は決して有意義なものではないと思えます。
 ちなみに、この場合の君子とは、教養があり徳があるもの、すなわち分別のある者の事だと思います。

楷書 行書 草書

32. [][キ][画数:11画][部首:見]

『総量制』

 私が不動産会社をしている時に、ある大きな契約が成立しなかった事がありました。九分九厘まで成立予定であったのが、この総量規制のため、銀行から融資を受けられなくなりました。
 当時はかなりショックを受け、やる気を無くした事が思い出されます。

楷書 行書 草書

33. [][キ][よろこ-ぶ][画数:12画][部首:口]

怒哀楽』

 上手く四字熟語を創ったと思います。人間は日々この言葉のどれかで生きていると思います。
 そして、喜怒哀楽を制御しようとするのも、また人間です。
 ただ、この感情を抑えすぎるのも良くありませんし、喜怒哀楽がないのもまた精神的な疾患と言えると思います。

楷書 行書 草書

34. [技][ギ][わざ][画数:7画][部首:扌]

わざ

 空手道では、単に運動能力や手足の操作に熟練すれば良いかと言うと、画竜点睛を欠く事になります。
 私は、この「技」を説明する時に、静止した状態から次の静止する間の動きの中に技がある、と説明します。
 そして、その僅かな一瞬の中に、もう一つ相手に触れる一瞬があります。その前後に技があると説明します。
 ですから、使えなければ、幾ら綺麗に形を作っても、それは「技」とは言えないのです。
 先に静止と書きましたが、これは居着きにならない静止状態と考えています。

楷書 行書 草書

35. [義][ギ][画数:13画][部首:羊]

『仁・・礼・智・信』

 儒教の教えの五常ですが、言葉には聞き覚えのある人も多いと思います。
 孔子の「論語」を基に、孟子、荀子、韓非子などが解釈したり「礼・智・信」などの言葉を付け加えて言ったと記録されています。
 ただ、どの言葉も「仁」、すなわち人間の理想の姿を具現化するための方法です。一言で言えば「思いやり」が「仁」で、それを現わす方法だと理解しています。
 そして、「義」は、その「仁」を実践するための正しい道であり、正義とも言われます。
 「礼」も秩序を保つための方法ですし、「智」は、正しい判断をするための知識であり経験などが必要となります。いわゆる知恵です。
 また「信」は、人と接し、思いやりを表現するために必要な「信頼」を得る事ですが、その為に言動が一致し、嘘のない生活態度が必要になるでしょう。
 どの言葉も相関性が密で、欠く事の出来ない重要な、そして珠玉の言葉だと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学五年生の文字の31.~35.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【寄】宀部(べんぶ)・うかんむり
  2. 【規】見部(けんぶ)・みる
  3. 【喜】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  4. 【技】手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【義】羊部(ようぶ)・ひつじ・ひつじへん

 ・・・・つづく。