小学校六年生で習う、191字の内の最後の6つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。
理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。
例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。
186. [覧][ラン][画数:17画][部首:見]
『覧古考新』
まったく「温故知新」と同じ意味と考えても良いでしょう。孔子の言葉を参考にしたのかも知れません。
この言葉は「漢書」にある言葉ですが、西暦82年に執筆されたようですから、孔子が紀元前479年没となっていますので、論語がその後に完成されたとしても、随分後で書かれたものだと思います。
ざっくり言えば、そんな大昔でさえ、昔の事を参考に未来を考えたのでしょうから、現在もやはり昔を振り返って参考にすべきだと思います。歴史は繰り返すと云いますから。
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187. [裏][リ][うら][画数:13画][部首:衣]
『明鏡も裏を照らさず』
それはそうです。いくら磨いても鏡は裏側を照らすようには作られていません。
この諺は、どんなに賢い人でも行き届かない事があると言う譬えで、慢心は失敗を招いてしまいます。
まぁ、そんなに賢くなりようがありませんが。
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188. [律][リツ][ リチ][画数:9画][部首:彳]
『律儀は阿呆の唐名』
ここで、「唐名」と言う言葉を明確にしておかないと、誤解を招きます。「唐」すなわち中国名ではありません。単に別名と言う意味に捉えると良いと思います。
律儀は実直、ここで言えば単に正直ではなく、馬鹿が付くほどの正直者、馬鹿正直と言えると思えます。
ですから、正直も度が過ぎると、阿保呼ばわりされると言う事だと思います。
この諺はそんな意味ですが、私は実直な人は、馬鹿と呼ばれようと、実直であってほしいと思います。馬鹿呼ばわりする世の中が、どこか狂っていると思っています。
確かに実直な人は、世渡り上手な人の口車に乗せられたり、最近では詐欺にあったりするかも知れません。これは、実直な人を利用したり、騙したりする人が悪いのであって、決して律儀な人が阿保ではないと思います。
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189. [臨][リン][のぞ-む][画数:18画][部首:臣]
『臨機応変』
人生一寸先は闇と云います。次から次に予測を越えた変化をするのが当然の世界です。
そんな時、固定概念で固められてしまうと、上手く対応できません。
空手道でも、稽古している事に固着してしまうと、上手く技を使いこなせません。ある時には技から離れて、相手の動作に対応する事も必要になります。
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190. [朗][ロウ][ほが-らか][画数:10画][部首:月]
『明朗闊達』
なんだか「明朗会計」が直ぐに浮かんでしまいます。「豪放磊落」や「天真爛漫」の方がピンと来ます。
人から見ると細かい事に拘らず、いつも明るく朗らかに見える人も、人間ですから人の見えない所で、案外悩んだり悔んだりしているのではないかと思うのは、「明朗闊達」な性格ではないからでしょうか。
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191. [論][ロン][画数:15画][部首:言][
『机上の空論』
この言葉を省略すると机上論になりますが、私は少し違う意味で使っています。
あくまでも、空論は、絵に描いた餅、実際には役立たない事ですが、机上論は、しっかり構築した計画だと思っています。ただ、机上論にしても、それが実際とは違って、現実には色々手直し、修正しながら物事に対処しなければならない事は言うまでもありません。
そんな事が解かって、侃侃諤諤意見を出し合って机上論を構築するべきだと思っています。
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