学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part204

 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

181. [][ヨウ][おさな-い][画数:5画][部首:幺]

之序ちょうようのじょ

 言葉の説明では、当然守らなければならない社会的、道徳的な秩序のように書かれていますが、これは儒教による教えであり、現在では反論もあると考えられます。
 儒教は孔子の教えを原点としていますが、時代によりその捉え方も様々であると思っています。時の為政者によっても孔子の考え方とは随分変わって来たものと推察しています。
 しかし、人間が生まれ成長し、やがて年老いていくのは、昔も今も同じであると思います。であれば、無条件に年老いた者を大切にしようとする気持ちは、かけがえのないものだと思っています。
 ただ、無条件と書きましたが、大切にされるような年の取り方をしたいと思います。
 しかし、私もつい最近まで、若者と言われていました。だれもが年を取ります、ですから、案外無条件に年寄りに敬意を持った方が、これからも人間社会を維持しようとするなれば、必要な考えかも知れません。

楷書 行書 草書

182. [][ヨク][ほっ-する][ほ-しい][画数:11画][部首:欠]

を知らねば身が立たぬ』

 「我昔所造諸悪業がしゃくしょぞうしょあくごう 皆由無始貪瞋痴かいゆむしとんじんち 従身語意之所生じゅうしんごいししょしょう 一切我今皆懺悔いっさいがこんかいさんげ」、仏前勤行次第(真言宗御室派)には、大昔から我々は、身と口と意志から生み出される、貪瞋痴とんじんちの煩悩に取りつかれ、色々な悪業を造り出しているので、今これを一切悔いて告白します。と書かれています。
 ですから、これを信じれば、欲は人間にとって良い物ではないと解釈できます。事実最終目的は、欲望から如何に解き放されるかが、幸せへの道だと思っています。
 それでも人間は食べなければ死にます。欲が無ければ、この弱肉強食の世界で、生き残っていくことは、難しいと思います。
 ですから、この言葉のように、丁度いい具合の欲も必要だと思います。
 私が好きな坐禅儀(作者不明)の一節【其の飲食おんじきを量って、多からず少なからず、其の睡眠を調えて節せず、ほしいままにせず。】のように「節せず、ほしいままにせず。」と、欲望をコントロールする必要がありそうです。

楷書 行書 草書

183. [][ヨク][画数:11画][部首:羽]

あすなろ

 記憶の中でうっすら覚えているのが「あすなろ物語」(井上靖著)ですが、明日は檜になろうとする「あすなろ」の木になぞらえた、著者の自伝的な小説だったと思います。ただ内容までは記憶にありません。
 「あすなろ」と言う漢字が『あすなろ』と言うのも、今回調べて見て初めて知りました。
 本当に知らない事ばかりで、少しは物知りになりたいと思っているのですが、「あすなろ」の木のようなものかも知れません。

楷書 行書 草書

184. [][ラン][みだ-れる][みだ-す][画数:7画][部首:乚]

一治一いっちいちらん

 この世の中の事を表すのに使う言葉だと思います。あるときは、何事も無く治まり、またある時は、乱れ、ついには戦争にまでなってしまう。そんな繰り返しが、この「一治一乱いっちいちらん」です。
 昭和21年から平成を越え、現在の令和になるまで、紆余曲折はありましたが、何とか一乱を避けてこれたのではないでしょうか。
 悠久の時を考えると、ほんの僅かな時かも知れません。しかし、この平和がいつまでも続きますように。

楷書 行書 草書

185. [][ラン][たまご][画数:7画][部首:卩]

『コロンブスの

 玉子を立てると言われて、誰も割っても良いとは考えません。そのままの姿で立てようとする事を、コロンブスは固定概念と考えたのでしょう。
 誰にでも出来る事だけれど、初めにそれを成し遂げた人は、やはり天才かも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の181.~185.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【幼】・幺部(ようぶ)・ヨウ・いとがしら
  2. 【欲】・欠部(けんぶ)・あくび・かける
  3. 【翌】・羽部(うぶ)・はね
  4. 【乱】・乙部(おつぶ)・オツ・おつにょう・つりばり
  5. 【卵】・卩部(せつぶ)・ふしづくり・まげわりふ・わりふ

 ・・・・つづく。