空手道の名言 Part-15

 今日も松濤二十訓の中から「空手道は礼に始まり礼に終わることを忘るな」と言う言葉を書いて見ました。

 武道と言えば『礼と節』。松濤五条訓[道場訓]の中の4番めに、「礼儀を重んじます」とあります。これは、私の先生、故佐々木武先生が、自ら進んでこの五条訓を守るために、元々の「礼儀を重んじること」を直したものです。要するに上から命令されるのではなく、自らの意志で、と言う意味です。

 では、毎日のように唱えていれば、礼儀を重んじるようになるのでしょうか。いや、そうでもなさそうです。

 少し強くなると、いままで大人しかった人が、横暴になっていくのを何人も見てきました。

 そして、逆に強くなるごとに控えめになっていく人もいましたが、それは、空手の場合、稀であったと思います。

 もちろん、強くなると言っても、これはいつまで経っても相対的なもので、世の中は広いですから、自分より強い人は五万といます。いや、もっといるかも知れません。

 それに気付く事が大切なんですが、これが意外と気付きにくいのです。ですから、修業なんでしょうね。

 その為に、組手の場合は、相手に対して、始まる時も終わる時も、礼をします。また、道場に入る時、出る時も同じです。こういう表面的な儀礼は、習慣になりますから、自然と身について行きます。

 それでも、心から礼儀を知り、そして守る事は、そんなに簡単でもありません。

 「謹慎謙譲」など、日ごろの態度や考えが「礼儀と節度」に適っていなければ、この一条を満たす事は出来ないと思います。

 何度も載せますが、私が考える「礼儀と節度」の関係です。