中学校で習う漢字三体字典 Part174

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

866. [][ひざ][画数:15画][部首:肉]

癢掻背しつようそうはい

 この文字を見ると、痒いところに手が届くような漢字が並んでいますが、まったく反対の四字熟語です。
 確かによく見ると、膝が痒い時に、背中を掻く、と書いてありますね。
 そんな事はしないやろ、と思いますが、痒いところに手が届かずに、人に掻いてもらいたいと思った事もあります。
 ただ痛い時には、他の場所をつねるとか、刺激を与えると、本来の痛みが和らぐ場合もあります。
 この四字熟語、そんな身体的な意味ではなさそうです。
 確かに、会議などをしていて、まったく話が噛み合わない人も居ますね。
 「俺の話を聞け!5分だけでもいい」と言うのがありましたね、クレイジーケンバンドが歌っている「タイガー&ドラゴン」、このフレーズが好きになって、話しが伝わらない時に、心の中で叫んでいました。

楷書 行書 草書

867. [][ひじ][画数:7画][部首:肉]

旁時掣ぼうじせいちゅう

 人が話をしている時に、割って入って、口を出す人、居ました。
 ただ口を出すだけならまだしも、話しをすり替えて自分の話をする人、一瞬話の内容が分からず戸惑う事もありますが、結構苛立ちます。
 そんなに沢山はいないように思えるのですが、妻の知り合いにもそんな人がいるようです。理解不能の人達です。

楷書 行書 草書

868. [][ヒツ][ひき][画数:4画][部首:匸]

夫之勇ひっぷのゆう

 辞書には「思慮の足りない人が一時の感情に任せただけの勇気のこと。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】と書いてあります。
 私から言うと、思慮が足りないのではなく、考える力に欠けているのでしょう。
 私もそんな蛮勇とでも言うのでしょうか、そんな勇気を奮う時期がありました。反省しています。

楷書 行書 草書

869. [][ヒツ][ヒ][画数:8画][部首:水]

『外分腺』

 「外分泌を行う腺。各消化腺・汗腺・乳腺やクモの出糸腺、カイコの絹糸腺などがある。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 なぜこんな言葉を、ここに取り上げたのかと言いますと、蜘蛛の糸や蚕の出す絹糸になる物も、人間の汗と同類なのかと感心したからです。
 でも人間の汗にも役割はあって、熱くなり過ぎた身体を冷やしたりしていますが、冷や汗はどうなんでしょうね。
 残念ながら、汗が絹糸に変わる事はないので、金儲けは出来ませんし、スパイダーマンにも成れません。

楷書 行書 草書

870. [][ひめ][画数:10画][部首:女]

『一二太郎』

 とくれば、三なすび。ですが、三かぼちゃ、とも言うようです。
 辞書では「子を産み育てるには、長子は女、次に男の子が生まれるのが理想的である、ということ。」【出典:日本国語大辞典 第2版 小学館.】。
 ちがう辞書には「最初に生まれる子は育てやすい女児、二人目は男児の順に授かるのが理想的だということ。」【出典:成語大辞苑 主婦と生活社.】。
 確かに男の子は腸が悪い子が多いかも知れません。私もそうです。と、考えると女の子の方が元気に育つのかも知れません。
 しかし、どちらが先に、あるいは男の子なのか、女の子なのか、選別できないから良いのではないですか。
 それと、三なすび、とは巷で勝手に言っている事で、「一富士二鷹三茄子」から来た、語呂合わせと考える方が良いと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の866.~870.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【膝】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  2. 【肘】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  3. 【匹】匸部(けいぶ)・かくしがまえ
  4. 【泌】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  5. 【姫】女部(じょぶ)・おんな・おんなへん

 ・・・・つづく。