中学校で習う漢字三体字典 Part170

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

846. [][ハン][(ボン)][わずら-う][わずら-わす][画数:13画][部首:火]

意乱しんはんいらん

 心と言うものは不思議な働きをするものです。何か原因があって、いらいらしたり、ソワソワするのなら理解出来るのですが、その原因が解らずに、心に動揺が起こる事もあります。
 それを虫の知らせと云ったり、予言や予知と思うのかも知れないのですが、結局の所、私には解りません。
 それでも、今までに何度か、原因不明の苛立ちや、心が高揚した事もあります。たいていの場合は、根拠があり、原因を突き止め、対処する事によって解決できるのですが、出来ない場合もあります。これがストレスと言うものなのでしょうか。

楷書 行書 草書

847. [][ハン][画数:13画][部首:頁]

はんか

 この言葉、辞書によって解釈が違うのが気になります。
 「頒布する際の価格。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】「物品などを広く分けくばる際の値段。頒布価格。売り値。」【出典:精選版 日本国語大辞典 小学館.】
 他にグーグルで「販価」を引くと、最初に「(非売品などを)実費で分ける時の価格。」と出てきます。辞書とは違うようですが、この場合は実費と書かれていました。
 もちろんこの実費と言うのも明確ではありませんが、少なくとも売値と言うより、分け与える価格のような気がします。そこに儲けは考えていないような気もするのですが、もう少し明確であれば良いとは思います。
 確かに原価でもなさそうです。原価にその他の費用が加算されているのかも知れません。要するに配る側に損失がでないようにする価格の事でしょう。
 ただし、無料配布の場合は、完全な損失と考えられます。

楷書 行書 草書

848. [][ハン][画数:15画][部首:竹]

九疇こうはんきゅうちゅう

 「「九疇」は「洪範」で述べられている九つの大法のことで、天下を治めるための政治道徳をいう。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】と書かれています。
 そんな方法があれば、政治家は苦労しないのですが、それとも、根本になる道徳心が薄いのかも知れません。
 多分こんな事を書くとブーイングでしょうね。ただ、国民から選ばれた政治家は、託された思いを実現するために、私情を捨てて道徳心に芽生えるべきだと思います。

楷書 行書 草書

849. [][ハン][画数:16画][部首:糸]

劇紛擾はんげきふんじょう

 この四字熟語の意味を考えると、確かに忙しすぎる場合には、整理が付かず混乱するのが普通だと思います。
 しかし、昔から「仕事を頼むのであれば忙しい人に頼め」と云われて来ました。
 推測に過ぎませんが、忙しいという事は、それだけ能力が評価されているという事で、その忙しさを上手く整理するのにも長けているのではないでしょうか。
 若い頃は、色々な仕事を一時期に頼まれると、何で俺だけ、と言う思いがしたものです。
 しかし、ある時に、「呼ばれている間が花」と思うようになりました。

楷書 行書 草書

850. [][ハン][画数:18画][部首:艸]

羝羊触ていようしょくはん

 「猪突猛進」もそうですね。こういうのを蛮勇というのでしょう。ただ勇気があるだけで、考えずに突き進むと、後で結局困る事になるという戒めの為の四字熟語です。
 しかし、世の中の多くは、と言うのは言い過ぎかも知れませんが、今まで会った人の多くは、どちらかと言うと、事なかれ主義、傍観者の方が多数だったように感じています。
 確かに、首を突っ込むと面倒な事が多いので、そんな知恵が働いてしまうのでしょう。ですから、自分の利益にならない事には、自ら進んで携わらないようにしているのかも知れません。
 これも性格かも知れません。私の場合は人に頼まれてもいないのに、身体が先に動いてしまい、何度も難儀した思い出がありました。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の846.~850.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【煩】火部(かぶ)・ひ・ひへん・れっか・れんが
  2. 【頒】頁部(けつぶ)・おおがい
  3. 【範】竹部(ちくぶ)・たけ・たけかんむり
  4. 【繁】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  5. 【藩】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう

 ・・・・つづく。