今日の一文字は『譲』です。今日読んで見ようと思う、『徒然草 第二十七段』を読んで見て、感じた文字です。
原文
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譲位
世襲
昨夜も涼しく、快適な夜でした。しかし、油断大敵です。
油断大敵と言えば、脱走者がまだ捕まっていません。かなり凶悪な人物です。みんなで気を付けて、見かけたら通報しましょう。
朝のニュースでは、大阪の西成の方面まで北上しているようです。
さぁ、今日も一日元気で過ごしましょう。
徒然草 第二十七段 〔原文〕
御國ゆづりの節會行はれて、劒・璽・内侍所わたし奉らるゝほどこそ、限りなう心ぼそけれ。
新院のおりゐさせ給ひての春、よませ給ひけるとかや、
殿守の伴のみやつこ(御奴)よそにして はらはぬ庭に花ぞ散りしく
今の世のことしげきにまぎれて、院にはまゐる人もなきぞ寂しげなる。かゝるをりにぞ人の心もあらはれぬべき。
『現代文』
まず、我流で現代文にしてみましょう。
『 天皇の譲位の公事が行われ、宝剣・神璽・宝鏡を渡し奉ることほど心細いものはない。
上皇が退位した春に詠まれたとか
「殿守のとものみやつこよそにして掃はぬ庭に花ぞ散りしく」
(役人たちが掃除をする事のない庭に桜の花びらが散っている)
新帝の世になり、忙しさにかまけて、御所には参る人もいないのが寂しそうだ。。』
『譲位』
現在の天皇も来年には、皇太子に譲位され、平成の時代も終わりを告げようとしています。
私などは、『平成』と言う毛筆で書いた額を掲げて、「新しい元号は平成であります」 小渕恵三官房長官が発表された事が、つい最近の事のように思いますが、あれから30年も経ったのですね。
次の年号が気になりますが、それも直ぐに慣れてしまうのでしょう。年号が変わる事で、少しだけもったいないな、と思う事があります。それは、段位の免状の日付の印刷です。平成と印刷してしまっています。まだ、400枚以上残っていると思います。先の見通しが甘かったようです。
次に印刷する時は、年号と発行者は空白にしておきましょう。何れ私の名前が必要なくなる日がくるでしょう。次に引き継げるようにしたいと思います。
憲法上も色々な公事も、詳しくは分かりませんが、引き継ぐ事の難しさは、民間の世界でも、お家騒動があるようです。
兼好の時代とは環境が違うので、その当時の気持ちは分かりませんが、『かゝるをりにぞ人の心もあらはれぬべき。』 と言った気持ち、『こんな時にこそ人の気持ちが分かる』と言うのは、現在でも同じでしょう。
何か、賞を取ったとか、有名になると、とたんに親類縁者が増えると聞きます。逆に逆境に会うと、今まで懇意にしていた人が、波が引くように去っていくのが、世の習わしでしょう。
私も逆境に見舞われた事が、これまで何度もありましたが、私の記憶では、知り合いのお陰で何度か助けられた事だけが記憶にあります。有難い事だと思っています。
しかし、中には自分に経済的な利益を感じないと、直ぐに去っていく合理主義の人もいると思います。私には、利益を感じる事が無かったのでしょう。なんだか複雑な気持ちになります。
話を戻しましょう。昭和天皇がご逝去され、平成の天皇に変わられた時、私の歳では、やはり昭和天皇に対する思いが強く、失礼な話ですが、若い頃から存じ上げていた今上天皇に不安も少しはありました。しかし、天皇家はしっかり跡継ぎになられる素養を身に付けて歳を経ておられたのだと、思いました。
明治以降初めての「譲位」ですが、やはり一抹の不安がない事はありません。しかし、前もそうだったように、今の皇太子も跡継ぎとしての素養は身に付けられているものと思っています。
『世襲』
日本の国のように、天皇は世襲制と言う事が明確になっている場合には、問題が生じないのですが、世代交代と言われる民間の組織では、やはり問題が起こります。
株式会社などの場合は、自分の子孫にその地位を継承させようと思うと、持ち株とか色々な面で、存命中に配慮しておかなければなりません。要するに、他から文句が出ないようにです。
しかし、これも問題で、組織と言うのは権力や権威だけで発展維持して行けるものではありません。 そこには、手腕と言うものがなければ、折角世襲したり継承しても、「驕る平家は久しからず」ではありませんが、たとえ奢らなくても、衰退は免れないのではないでしょうか。
継続する事は如何に難しいかと言う事は、株式会社の存続期間を見れば明らかです。今までは株式会社の寿命は30年と言われていましたが、毎年少しづつ寿命が短くなっているようです。この30年と言われているのは、よく維持する事ができてと言う事で、30年継続できない企業がほとんどと言って良いでしょう。
と言う事は、入社して運よく退職まで在職する人がいるとしたら、これも稀だと言う時代になっています。
時代の流れが速く、流行り廃りも極度に速くなっていますので、経営手腕も、余程優れたものでないと、安穏とはしていられない時代です。
ですから、創業者が、例えば20年継続させ、世代交代で優秀な経営者にバトンを渡したとしても、その後10年継続させられる保証はどこにもありません。まして、世襲となれば、よほど他を圧倒するような経営手腕を持ち、人望も厚く、管理能力も身に付けておかなければ、折角の先代の苦労も水泡と消えてしまいかねません。
しかし、会社は、経営者やその親族だけの物ではありません。株主、役員、社員が共に生活の糧にしています。よくよく考えて世代交代する事を望みます。