学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part173

 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

26. [][キュウ][す-う][画数:6画][部首:口]

『阿吽の呼

 今大相撲秋場所が開催されています。両横綱が休場、他にも休場者が続出している中、小さい力士が頑張って土俵を賑わしています。
 「阿吽」と言えば、仁王像が頭に浮かびますが、相撲の立ち合いも阿吽の呼吸で立ちます。行司はその間じっと待っています。
 これも、江戸時代の初期には、行司によって立ち合いが始まったようです。
 テレビで観る事が出来る昔の映像では、まさに阿吽の呼吸によって始まりますが、最近は両手を土俵に付ける事を必要にこだわる行司がいる反面、呼吸を重要視する行司もいるようです。
 阿吽の呼吸と言うのは、双方の意識が合うことなので、あまり手が付くとか付かない事に、目くじらを立てるのもどうかと思ってしまいます。

楷書 行書 草書

27. [][キョウ][ ク][そな-える][とも][画数:8画][部首:亻]

『子の根問い』

 子供は知らない事ばかりなので、それはそれは根掘り葉掘り聞く事で、知識を増やしていきます。とても良い事なので、大人はごまかさないで、真剣に答えるようにしましょう。
 その場しのぎで答えた事が、一生その子供の常識として植え付けられてしまうかも知れません。
 そんな時、質問の仕方も教えてあげると良いかも知れません。

楷書 行書 草書

28. [胸][キョウ][むね][ むな ][画数:10画][部首:月]

『男は度胸 女は愛嬌』

 こんなことを言うと、女性蔑視とか、男女差別と言われかねません。
 度胸はともかく、愛嬌は男性にも必要だと思っています。常に憮然とした態度では人が寄ってきません。
 結局対人関係に支障をきたす事になると思います。人におもねる必要はさらさら感じませんが、すくなくとも柔和な人でありたいと思います。

楷書 行書 草書

29. [][キョウ][ゴウ][画数:11画][部首:阝]

に入ってはに従え』

 その土地土地に昔からの風習があり、それで上手く事が運んでいるのに、外から入って来たばかりで波風を立てる必要は無いと思います。
 私は過去に何度も会社を替わりました。そこで体験した事が大いに役立っています。
 確かに新しい職場に行くと、自分の常識とは違う事が目に付きます。そして、波風が立っているように感じます。しかし、しばらくすると、その波風は、自分が立てている事に気が付きました。
 ですから、少なくとも三か月はその組織を知る事に努めるようにしました。それでも問題があるようでしたら、改革してみてはどうでしょう。

楷書 行書 草書

30. [][キン][ ゴン][つと-める][つと-まる][画数:12画][部首:力]

愁苦辛しゅうくしんきん

 出来ればこんな辛い思いはしなくて済むような人生でありたいと願います。
 しかし、人生色々で、一度や二度は思い悩む事があるかも知れません。しかも思い悩むだけではなく、その思いには悲しみや苦しみがついてきます。
 できれば、そんな事は吹き飛ばしてしまえるようにしたいものです。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の26.~30.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【吸】・口部(こうぶ)・くち・くちへん
  2. 【供】・人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  3. 【胸】・肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  4. 【郷】・邑部(ゆうぶ)・むら・おおざと
  5. 【勤】・力部(りょくぶ)・ちから

 ・・・・つづく。