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東京書道教育会にある部分、一般的には部首と呼んでいると思いますが、その部分に従って、文字を選んで練習したものを掲載しています。
前回は、「わかんむり」と「うかんむり」そして「あなかんむり」を選び、文字は、「写、冨、冗」、「安、守、完」、「空、究、窪」を楷書で、「安」「完」の書写体を書きました。
今回は、「あめかんむり」と「くさかんむり」そして「たけかんむり」を選び、文字は、「雪、雲、雷、霜」、「芝、花、芯、若」、「笑、第、笛、答」を楷書で、その中から「雲」「花」「若」「第」「答」を書写体で書いて見ました。
「あめかんむり」の場合も他の文字同様空間を上手く表現しなければ窮屈になってしまいます。
私が注意している点は、三画目のはねる所ですが、内側になり過ぎないよう横画との角度を開いてはねています。そうする事によって文字に広がりを作れると思います。
また、同じ意味で、四つの点は、縦画の近くにそれぞれ少しづつ変化を持たせて書いています。
下に来る文字とのバランスを考えながら「あめかんむり」の扁平率を変える事も大切ではないでしょうか。
特に難しいと思ったのは、「雲」と言う字です。他の文字は比較的バランスが取りやすいですが、「云」と言う文字は不安定に感じました。
「くさかんむり」の書き方で注意した点は、縦画の位置です。
私がいつも、というより余り文字を書く事はありませんが、お習字をする時には、「くさかんむり」の場合、ここに書いた文字より、幾分縦画の位置が離れて書く癖があるようです。
この手本の場合は、自分が思った「くさかんむり」より若干近くに寄っているように感じました。
特に「若」の文字はもう少し離した方が、自分では落ち着くのですが、これも出来るだけお手本に忠実に書き写したつもりです。
「たけかんむり」の文字は、手本なしではこういう文字を書く自信はありません。
自分で書いていて、おかしな話ですが、ちょっと上手くなったかな。なんて、思ってしまいます。
それだけ、手本になる字は、バランスよく書かれているのだと感心しています。
ここで注意した点は、「笑」と言う文字の場合は、七画目の「たけかんむり」の下の左払いです。角度に注意しないと、バランスの崩れた文字になってしまいました。
次は「第」の長い縦画11画目を少し左に傾ける事です。これも傾け方に注意が必要だと思いました。
「笛」と「答え」は、中心線にそって左右を均等にする気持ちで書くと、上手く行くと思っています。もちろん、完全な均等は、活字ではないのでありません。
上から「雲」「花」「若」「第」「答」 の書写体ですが、「雲」と「若」以外は、ほとんど楷書の姿がありません。
前回の一口メモに、『書道では、その手本となる書体を古典とし、かつ臨書を練習体系にしているため、書写体とは切っても切れない字体と言う事だと思います。』と書きました。
これには、二つの考えがあると思います。一つは王羲之を初めとする各時代の名筆を越える事は、不遜であり、やはり手本とするのは、古典であると現在の名手が謙譲の心で古典を尊重しているので、書写体を貴重な遺産としていると言う考え、もう一つは、現在統一されているようで、まだまだ楷書の字形が定まっていないので、古典を第一としている。
楷書が統一できない理由は、教育と文字の規定が、書道界ではなく、国が制定しているという、問題と、書道界でも様々な目標とする字形があることも、活字のようには行かないのでしょう。
書写体を書いて見て、字形から受けるのは、現在書道としての楷書と比較してみて、私には書写体の方が良いと思う文字もあれば、楷書の方に軍配をあげたくなる文字もあります。
色々な文化が歴史に淘汰され、変わっていくことも書道にも必要なのかも知れません。ただし、「不易流行」と言う考えで、専門にしている人達が守るべきものは守り、変えていくべきところは変えると言う、姿勢を持つべきだと思います。
空手道を「道」として考え、「道」を歩むためには、文武両道が大切な行いだと思っていますので、「お習字から書道へ」と一歩一歩、歩んでいます。
ただ読解力が無いのか、現在の書道関係の書籍を読めば読むほど、興味が薄れてしまいます。このような歩みは、書道界にとって良い事ではありません。だからと言って、奇を衒うようなパフォーマンスを好んでいるのではありません。
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【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.