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森鴎外、恐るべし!
「童蒙入学門(どうもうにゅうがくもん)」を写したものが、公開されたと言うニュースを見ました。
なんと、満7歳。全て漢文です。しかも楷書で、まるで古典を見るような、見事な書きぶりに驚きました。しかも、現在のB5版くらいの大きさの紙に17ページですから、その神童ぶりを窺わせるに十分な写本です。
鴎外の10倍の歳から始めたとはとはいえ、7歳の子供に負けそうです。いや、文字によっては私よりも遥に上手いと思います。
そう言えば、私の姉の場合も、小学校の一年生の時に書いた文字を見た時に、既に大学生だった私の字より、数段上手かった事を思い出しました。
鴎外の文字をつぶさに観察すると、その点画の正確さに、今更ながら驚きます。実に正確な筆の使い方だと感心してしまいます。
江戸時代の思想家であり医者でもある平田篤胤が書いたとされる、「童蒙入学門」と言う書物については知りませんが、私は森鴎外の達筆に驚いたので、記載しました。
ニュースを知ったのは、テレビですが、インターネットでも書いたものを見ることが出来ました。【朝日新聞DIGITAL】
今朝も、朝からセミが鳴き、おまけに暑い!! 熱中症にならないよう、気を付けて下さい。
では、森鴎外に少しでも近づくため、文字を選んで書く事にします。
今まで通り『楷行草筆順・字体字典』(江守賢治著)から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしました。
前回は、「つつみがまえ」「かぜがまえ」「きがまえ」「よく」を取り上げました。
文字は、「勾」「匂」「包」、「凡」「処」、「気」、「式」「弐」を楷書で、「処」「気」を書写体で書きました。
今回は、「ほこづくり」「ぎょうがまえ」を取り上げました。
文字は、「成」「我」「戦」、「術」「街」「衛」を楷書で、「我」「戦」「術」「街」「衛」を書写体で書きました。
「成」は、横画が長すぎました。最後の左払いに注意しすぎて、全体のバランスを欠いてしまったようです。
「我」も「成」と同じ間違いをしてしまいました。
やはり、横画が長くなりすぎです。書いている時に気が付けば良いのですが、なかなかそこまで気が回りません。
書写体の方は、左払いが平行になってしまい、結構法で言われている事が実践できずに書いてしまいました。
「戦」は、自己評価では良く書けたと思います。
しかし、書写体の方が上手く書けませんでした。
「術」は、まずまずだと思いますが、真ん中の部分をもう少し工夫しても良いかと思います。
書写体の方が、楷書よりもバランスは取れたと思います。
縦画が並んでも、真ん中の縦画を工夫する事によって文字がよく見えます。縦画二本の「月」や「目」よりも書きやすく感じました。
良く書けたと思います。なかなか気に入った文字になりました。
「衛」は、真ん中の「口」の扁平の仕方と、横幅によって、全ての文字のバランスが決まると思いました。
書写体より楷書の文字の方が、しっかり書けたと思います。しかし、偏の書き方に、もう一工夫必要だったと思います。
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【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.
・余雪曼(1968-1990)『書道技法講座〈楷書〉九成宮醴泉銘』株式会社二玄社.
・續木湖山(1970)『毛筆書写事典』教育出版株式会社.