お習字から書道へ Section 44

 昨日も暑かったですね。今日も暑くなりそうです。風は強く吹いていますが、突風の感じです。

 昨日は、本棚の上につっかえ棒の代わりに木材を買ってきて、天井の梁と本棚の間を埋めました。

 東京にいた時に、震度5で本棚の扉があいて中の物が落ちてしまった経験があります。

 それにしても、日本国中震源地のような地図を見ますと、諦めるより仕方ない気がします。
 
 さて、今朝も文字を選んで書く事にします。

 この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。

 前回は、「つきへん」「ふねへん」を取り上げました。
 文字は、「有」「服」「朝」、「船」「艦」、を楷書で、「有」「服」「朝」「船」「艦」を書写体で書きました。

 今回は、「つのへん」「くるまへん」を取り上げました。
 文字は、「解」「触」、「軍」「軽」「輸」、を楷書で、「解」「触」「軽」「輸」を書写体で書きました。

 


「解」は、楷書も書写体も大差はありません。七画目が下に突き出るか、出ないかだけです。
 
 もう一点、「牛」の縦画を止めるか、伸ばすかも違います

 文字を書く時の、形に対する注意点は変わらないと思いました。

 
 
 

 
 時代劇に出てきそうな、書写体の旁です。意味としては同じようなものですが、形は全く違います。

 「虫」の方は、前にも書きましたが、ペナントの三角形をイメージすることで形が整うと思います。

 書写体の方は、書きなれないと、うまくバランスが取れないと思います。私は、「勹」と言う文字の曲がりからはねの所の中に入る部分を注意しました。中に入れすぎると、中の文字が窮屈になりますし、真直ぐ下にし過ぎると形がまとまらないと思いました。

 

「軍」は、上手く書けませんでした。と、言うよりどうしたら上手く書けるのか良く分かりません。

 「わかんむり」と「車」の中心や空間も考えて見ましたが、特にポイントとなるところがなく、簡単に見えて難しい文字だと思っています。

 

 

 「軽」のポイント、土の起筆の位置にあると思って書きました。

 書写体の方は、「不」の縦画と「土」の縦画を同じ場所にしましたが、これで良いのか、分かりません。手本では、繋がっているのか、それとも別々の字画なのかも判断できませんでしたので、「不」と「土」の二つの文字の重なりだと思って書きました。

 

  

 この文字で注意した点は、最後の縦画の長さです。この縦画「刂」の長さにより、文字が安定するかしないかの要素になるような気がしています。

 そのため、書写体では、「ひとやね」の右への払いが長く、最後の曲がりでバランスを取っているように思います。

 

   

 一口メモ 

 前回からの続きで、『はじめての書道楷書』(関根薫園著)で、中国の李淳と言う人の手による「結構八十四法」と言う文字の組み合わせ方を説明していきたいと思います。

 今日は第十八回目です。取り上げるのは、「たい」「せき」「へん」「えん」の4つです。

 「たい」は「磊」を例にあげて、同じ字が重なっている時の書き方について、説明があります。同じ文字の大きさを変えて書く事、この場合は、下の左は小さく、右はやや大きく書く事が示されています。文字からは、上の文字が一番大きいようです。

 「せき」の例は「鬱」です。ポイント一つです。大きくなり過ぎないように書く事です。ですが、ここに書かれてある事は、注意すべき事だと思います。あらかじめ形のバランスをイメージする事が大切です。

 「へん」は中心の分かりにくい文字として「己」をあげています。一見中心が偏った文字ですが、空間の中に中心点を見つける工夫が必要でしょう。

 「えん」、どのように見たら「楽」の輪郭が丸く見えるのかは分かりませんが、星座も同じでどうしたらクマや牛や山羊に見えるのでしょうね。見える人から見たら、「ホラ」って言われるかも知れません。ここでは、丸く見えると言う事で、丸く見えないように色々な変化をつけなさい。とかいてあります。
 逆に円の中に文字を書くと言われた方が分かりやすいのですが。我ままですか。

 

【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.