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大分地震のニュースも少なくなってきました。
今回の地震がマグニチュード6.1と言いますから、東日本大震災のマグニチュード7.9から9.0と修正して発表された経緯から見て、とんでもない大きな地震であったことが思い出されます。
その頃私は大阪の高島屋の前のビルの13階にいましたが、移動書庫がかってに動いたり、気分が悪くなったりしたのですから、その広範囲に及ぶ影響を痛感しています。
油断大敵と言いますが、自然災害の力には、とても人間が対処できないのかも知れません。
さて、今朝も文字を選んで書く事にします。
この文字を選ぶときには、『楷行草筆順・字体字典』から、上手く書けそうな文字と、難しそうだな、と思う文字の二種類の文字を選ぶようにしています。
前回は、あしへん」「やまへん」「くちへん」を取り上げました。
文字は、「距」「路」「蹴」、「岐」「岩」、「右」「名」「君」、を楷書で、「距」「路」「岐」「岩」「右」「君」を書写体で書きました。
今回は、「いしへん」「したへん」「ごんべん」を取り上げました。
文字は、「研」「砂」「礎」、「舎」「舗」、「記」「試」「識」、を楷書で、「研」「砂」「礎」を書写体で書きました。
「いしへん」と言うのは、「口」の位置で文字が調整できると思います。
楷書で書いた文字は、少し「口」を上に上げた方が良い感じに仕上がるかも知れません。
書写体は、どの文字も楷書と行書の中間てきな線の繋がりを感じます。楷書よりも、私にはバランスが取りやすい字体です。
「砂」は、手本を観察して、「石」を縦の長さの中間に置くようにしました。そのためには、「少」の縦画の起筆を上から書き出し、最後の左払いを長めにして調整しています。
書写体の方は、偏の中間程度まで、最後の左払いを伸ばしました。
「礎」は、Section 34 の一口メモに記載した、『減捺』のように二つ以上の右払いがありますので、「林」の収筆はとめて、「疋」の収筆は右払いをしました。
書写体も同様です。書写体の方が、全ての線に変化があり、躍動感を感じます。
「舎」は、異体字として「舍」とあり、「したへん」の名称があるのだと思います。辞書によっては、「舍」を明朝体、教科書体としているものもありますが、新聞などでは「舎」が使われていて、手本にしている『楷行草筆順・字体字典』も「舎」となっています。
この文字のポイントは、一画目の左払いの開き方にあると思っています。この開き方によって全体のバランスが取れますので、注意して書きました。
「舗」は、手本を観察した結果、このように書きました。
「記」と言う文字は、Section 31で書いた「仏」と同様、ペナントの三角形をイメージして書いています。
前回、Section 38の考察で「口」の右下の縦画と横画の関係を書き、これを原則にしたお陰で、「ごんべん」もスムーズに迷うことなく書く事ができました。
ちなみに、「日」などは、「識」のように縦画に横画が当たります。こうして原則が分かっていると文字と言うのは書きやすくなります。
一口メモの結構法も、このようにして原則に出来るようにしたいものです。
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【参考文献】
・青山杉雨・村上三島(1976-1978)『入門毎日書道講座1』毎日書道講座刊行委員会.
・高塚竹堂(1967-1982)『書道三体字典』株式会社野ばら社.
・関根薫園(1998)『はじめての書道楷書』株式会社岩崎芸術社.
・江守賢治(1995-2016)『硬筆毛筆書写検定 理論問題のすべて』株師会社日本習字普及協会.
江守賢治(1981-1990)『常用漢字など二千五百字、楷行草総覧』日本放送出版協会.
・江守賢治(2000)『楷行草筆順・字体字典』株式会社三省堂.