これはビジネスマンに限らず、商売人であっても、主婦であっても、職業を持たない今の私でも、時間の制約の中で一日を送っています。
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期限のある仕事をしている時は、時間に追い回されストレスで体に変調をきたした事も度々です。
時計屋をしていたころは、お客様に修理期間を告げていますので、間に合わそうと寝る暇もなく精神的にも追い詰められた記憶があります。内科の先生いわく、「仕事を変えないと胃がんになるよ」と言われました。だからと言って仕事を変えた訳ではありません。諸事情がありまして・・・。
日本タイプライターを使って、印刷の下請けをしている時も、朝の7時まで文字を打ち続け、8時には印刷会社に持ち込むという日が何日も続きました。
喫茶店に食パンを運ぶ仕事もしていた事があります。初めの頃は慣れないので、どんどん遅れて、行く先々で怒られる毎日が1ヵ月ほど続いた事もありました。この場合は慣れると時間通りに運べるようになりましたが、時間という掴みどころのないものに振り回され、ストレスを感じた事は何度も何度もありました。
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しかし、そのどれもが相手のある事で、時間に間に合わなければ、待っている人に迷惑をかけてしまいます。ですから時間を守る事はビジネスでは当然の事ですが、『礼儀』なのです。
と言っても、先に記載した事は、間に合わなければ仕事を無くしてしまいます。『礼儀』と言うより死活問題になります。
私は先に書いた仕事以外で人を待たせた記憶はありません。待たされた記憶は山ほどあります。外で待たされる方が精神衛生上我慢できます。しかし、家で待たされると、さすがにイライラします。一応人を迎える用意をしていますから、他に何も出来ないからです。外で待つ場合は、どっちみち何も出来ない所にいるので諦めがつきます。最高待った時間は、友人を2時間待った事があります。待つ方がおかしいのでしょうか。
携帯電話をみんなが持つようになって、本当に便利になりました。2時間も吹きさらしの所で待つ必要もなくなりました。相手にも色々事情があるかも知れませんが、やはり人を待たせるのは良くありません。
そこで、ビジネスマンの心得として、自分が訪問する場合の『礼儀』を考える事にします。
まず、待たせる事は『非礼』です。しかし、交通事情など思わぬことで相手を待たせる場合もあるかも知れません。こんな時は、早めに連絡する事が大切です。今は携帯電話やスマートフォンと言った文明の利器をほとんどの人が携帯しています。
だからと言って、早く行くことが良いとも限りません。
やはり、相手の事情を考えてこそ『礼節』に適うと言う事になります。相手の事情と言うのは何んでしょう。ビジネスの場合は、相手が仕事をしている所に伺います。当然の事ですが、仕事の時間を奪う事になります。約束の時間帯は、予定に入れていると思いますが、訪問客が来る時間ぎりぎりまで仕事をしているのが普通です。もし、30分前に来られても困らないのであれば、余程暇な人だと思います。また、一日に何人もの人が訪問し面談するような人であれば、前の人とぶつかってしまう事もあると思います。ですから、15分前に伺うのはマナー違反と考えましょう。
私は、諸事情により遅れる場合を想定して、約束の場所へは1時間近く前には到着していました。例えば喫茶店に入って時間を待ち、約束の場所には5分から10分前に着くようにしていました。それでも10分前では早すぎると思っています。やはり、5分前から6分前位を目指した方が経験上良いと思っています。
相手に「もう来た」とか、「まだ来ない」と思わせるような事のないようにしたいものです。
では、相手を迎える場合はどうでしょうか。相手が早く着くのを『非礼』と言えるでしょうか。これは相手との立場の違いによります。相手が上司であるとか、お客様の場合は、少なくとも30分前に用意を済ませておくべきです。出来れば、1時間前からほとんど準備が出来ている状態にしたいものです。
相手との約束で、もう一つ気を使いたいのは、乗り物です。都会の場合は交通の便がありますので、出来れば電車や地下鉄を使う事をお勧めします。
自分の車で行く場合は駐車場にも困りますし、タクシーやバスも都会の混雑を考えたら予定の時刻に着くとは限りません。もちろん電車や地下鉄も事故で止まる場合がありますが、一応言い訳にはなります。もちろん言い訳しないように違うルートも頭に入れておく必要があります。
時間に関しては、用意周到を心がける事が『礼節』に適います。
時間の作法も、国によって様々であると聞きます。名刺交換と同じで自分の置かれている環境を考えて、あるいは調査してから、時間のルールに従ってはどうでしょうか。