学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part191

 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

116. [][ゾウ][くら][画数:15画][部首:艹]

『腹の立つように家建たぬ』

 本当ですね。腹が立つほど蔵が建ったら、大金持ちになれたかも知れません。
 あんまり腹が立つ方ではありませんが、それでも今までに数えきれないくらい、世の中の理不尽に憤慨したと思います。
 腹が立つのを何か生産的な事に変えられれば良いと思います。スイッチを切り替えるように。

楷書 行書 草書

117. [][ゾウ][画数:19画][部首:月]

『夢は五の患い』

 辞書では「夢を見るのは五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓)が疲れているのが原因だということ。」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】。
 本当の所は分かりませんが、昔はそんな風に考えたのでしょう。
 夢は真実を見る事も、まったく架空の事、あるいはアイデアに結びつくような発想が浮かぶ事もあると思います。
 若い頃は、枕元に紙と鉛筆をおいて、何か浮かんだら書き留めて置いた事もあります。寝ぼけて、後で何を書いたのか思い出す事も出来ないこともありました。

楷書 行書 草書

118. [][ソン][ゾン][画数:6画][部首:子]

『運用の妙は一心にす』

 確かにどんなに良い計画、発想であっても、それを行う人にかかっていると思います。ここではその心にスポットを当てていますが、その人の技量に負う事も多分にあると思っています。
 もちろんここで言われているように、心に迷いがあればなる事も成らないでしょうし、その心に曇りがあれば悪い事にもなりますし、また公明であれば、人の為にもなるでしょう。

楷書 行書 草書

119. [尊][ソン][たっと-い][とうと-い][たっと-ぶ][とうと-ぶ][画数:12画][部首:寸]

唯我独尊ゆいがどくそん

 お釈迦様は、右手で天、左手で地を指さして「天上天下唯我独尊」と言った伝説があります。
 私はこの言葉を次のように解釈しています。
 「私はこの世の中で只一人尊い存在である。しかし、この世を球体と考えた場合、全ての人、物はその中心にある。ですから、あなたも、そしてあなたもですよ。」と。
 しかし、この考え方は、仏教の世界では違うようです。
 もちろん、仏教の言葉ですから、私が間違っているのは言うまでもありません。
 ただ、一般に言われているように、自分だけが偉い存在であるような意味には、解釈していません。

楷書 行書 草書

120. [退][タイ][しりぞ-く][しりぞ-ける][画数:9画][部首:辶]

『功遂身退 天之道』

 功成り名遂げて身退くは天の道なり、老子九章にある言葉です。
 私は少し違う考えを持っています。この世の中で功を成す人は、ほんの一握りに過ぎません。
 ただ、人はみんな年老いて、そして次の世代が台頭してくるのが自然です。
 しかし、老いてもなおその地位にしがみついているのは、傍から見ていても見苦しく感じます。
 それこそ、さっさと身を引いて、若い人に社会の牽引を委ねた方が世の中の為と思っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の116.~120.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【蔵】・艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう
  2. 【臓】・肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  3. 【存】・子部(しぶ)・こ・こへん・こども・こどもへん
  4. 【尊】・寸部(すんぶ)・スン
  5. 【退】・辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう

 ・・・・つづく。