中学校で習う漢字三体字典 Part162

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

806. [][ノウ][こ-い][画数:16画][部首:水]

厚接触者』

 「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していた者
・ 新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断する)。【出典:国立感染症研究所 感染症疫学センター】と言う事らしいです。
 何度も報道で出てくる言葉ですから、理解しておいた方が良さそうです。

楷書 行書 草書

807. [][ハ][画数:7画][部首:手]

一絡じっぱひとからげ』

 普通使われるのは、余り価値のない物、あるいは価値のある物を、他の物と同等と評価してその仲間にされてしまう事だと思います。もう一つは色々な物の中に評価もされず、含めてしまう意味もあると思います。
 場合によっては、そんな扱いを受けないために、否定するような言い方になると思います。例えば、この人は十把一絡げにするような人材ではない、とかです。
 また、十把一絡げにしてはいけない、などと使う場合もあります。

楷書 行書 草書

808. [][ハ][画数:19画][部首:襾]

臥轍こうはがてつ

 立派な人に留任してもらいたいと思った時に、この言葉を使うと良いでしょう。ちょっと難しい言葉ですから、出来れば話し言葉より、文章にした方が生きてくるような四字熟語だと思います。
 そんな機会にはなかなか出会いません。理由は例えそんな立派な人がいたとしても、次にその席を狙っている人が、手ぐすね引いて待っているのが実情です。

楷書 行書 草書

809. [][バ][画数:11画][部首:女]

苦口くこうばしん

 この「婆心」と言うのは、年老いた母のように慈愛に満ちている事を表すようですから、例え耳の痛い言葉であっても、聞き入れる必要があるのではないかと思います。
 確かに「良薬は口に苦し」とは言いますが、自分が認めている人から言われると、例えそれが耳に痛い内容であっても、素直な気持ちになれるのも、その人との人間関係だと思っています。

楷書 行書 草書

810. [][バ][ののし-る][画数:15画][部首:网]

讒謗ざんぼうばり

 好き嫌いは良くないのですが、私は辛辣な言葉とか、礼を欠いた言葉、あるいは高圧的な言葉に対して、拒否反応を起こすようです。
 この四字熟語もそんな乱暴で品の無いだけなら、聞き流せるかも知れませんが、そんな言い方で人を罵倒されると、売り言葉に買い言葉になってしまいます。
 やはり、人と人の中を円満にしようと思うと、言葉は大切な役目を果たしてくれると思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の806.~810.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【濃】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【把】手部(しゅぶ)・て・てへん
  3. 【覇】襾部(あぶ)・おおいかんむり・にし
  4. 【婆】女部(じょぶ)・おんな・おんなへん
  5. 【罵】网部(もうぶ)・あみめ・あみがしら・よんがしら

 ・・・・つづく。