中学校で習う漢字三体字典 Part147

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

731. [][テイ][画数:13画][部首:舟]

『救命

 これ、救命艇です。他に色々な形があるようです。
 アルフレッド・ヒッチコック監督と言うと、一時、テレビでもヒッチコック劇場と言うものを放映されていました。
 当時は30分番組で白黒でしたが、その思わぬ展開に、最後はいつもビックリした記憶が残っています。
 その監督の手によって1943年制作、1944年公開したサスペンス映画の題名が「救命艇」でした。
 当然、その映画に出てくる「救命艇」はこの写真のように近代的ではありませんが、救命される人々の気持ちは、今も変わらないのかも知れません。

楷書 行書 草書

732. [][テイ][し-まる][し-める][画数:15画][部首:糸]

『口と財布はめるが得』

 得かどうかは判りませんが、財布の紐は緩いと、後で困る事になりますし、口は禍の元ともいいます。
 あまり簡単に開けておくのもどうかと思います。
 特に私の場合は、財布の中身は知れていますが、今まで口はつまらない事を言ってしまって、毎日のように反省していたものです。
 特に40代半ばまでは、思い出すのも嫌なほどでしたが、50代に入ってからは、少し賢くなったのか、それとも気にならなくなったのか判りませんが、あまり後悔する事もなくなったようです。

楷書 行書 草書

733. [][テイ][あきら-める][画数:16画][部首:言]

熱願冷ねつがんれいてい

 この言葉意外と難しい要求だと思います。人間は方向性の違う事を同時に要求されても、なかなか矛盾を克服する事ができません。
 熱願と言う言葉には、熱烈に願うことが求められます。すなわち、気持ちは冷静とは思えません。
 ですが次の冷諦と言うのは、冷静に考えて物事を明らかに見極めると言う事だと思います。
 この言葉の意味が、物事の本質を明らかにすること、すなわち諦観することが目的であるとするならば、頭を冷やして落ち着く事が先決で、熱くならないようにすべきだと思うのですが。

楷書 行書 草書

734. [][デイ][どろ][画数:8画][部首:水]

中の蓮』

 この言葉のように、自分の意思をしっかり持っていければ良いのですが。人生はそれほど甘くもありません。
 朱に交われば赤くなる、だけではなく、協調性と言う名のもとに、同化させられてしまうのも世の常です。
 出来れば、そんな悪しき土壌には染まりたくはありません。
 異端児と言われ、疎外されるかも知れませんが、我道を行く事も時には必要かと思うのですが。

楷書 行書 草書

735. [][テキ][つ-む][画数:14画][部首:手]

『鷹は飢えても穂をまず』

 この言葉には「不正」と言う言葉はありませんが、「穂をまず」からそんな思いをイメージしたのでしょう。
 冷静に考えれば、鷹は肉食ですから、穀物を食べないのは当たり前です。
 であれば、「武士は食わねど高楊枝」の方が的を得ていると思うのですが。これも少し趣が違うようです。
 ただ、人として悖る行為はしたくはありません。しかし、「水は低きに流れ、人は易きに流れる」と言う言葉のように、簡単に出来る事を選ぶかも知れません。たとえそれが法律に違反、いや、すれすれだとしても。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の731.~735.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【艇】舟部(しゅうぶ)・ふね・ふねへん
  2. 【締】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  3. 【諦】二部(にぶ)・ニ
  4. 【泥】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  5. 【摘】手部(しゅぶ)・て・てへん

 ・・・・つづく。