中学校で習う漢字三体字典 Part144

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

716. [][つ-ける][つ-かる][画数:14画][部首:水]

『朝飯前のお茶け』

 よほどお腹を空かせているのか、大食漢なのか、そんなにお腹を空かせているなら、朝ごはんを食べてください。と言いたくなります。
 この言葉は、お茶漬けは簡単に食べられる事から出来たものでしょう。しかし、私の知っているのは、単に「朝飯前」、これの方が納得できます。

楷書 行書 草書

717. [][つぼ][画数:8画][部首:土]

『建

 一応宅地建物取引主任者の国家資格を持っています。そして不動産業にも従事していましたし、経営もしていました。
 この「建坪」と言う言葉も日常使っていましたが、業者によって使い方が違うようです。
 法律用語としては、「建築面積」や「延べ床面積」がありますが、「建坪」と言う言葉は見当たりません。
 私は、一階の床面積の事を言っていましたが、建物の総床面積を言う業者もいるようです。
 これから、建物を建築しようとしている人は、必ずこの「建坪」や「建物面積」を確認するようにした方が良いと思います。

楷書 行書 草書

718. [][つめ][(つま)][画数:4画][部首:爪]

雪泥鴻せつでいこうそう

 雪が解けてぬかるみが出来た所に、水鳥が足跡を残しても直ぐに消えてしまう。そんな現象を譬えたのでしょう。
 これを譬えとして、人間の一生の儚さを思ったのだと推測できます。
 「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことも 夢のまた夢」と辞世の句を遺した豊臣秀吉、なんと人の世は儚いものでしょう。
 とは言っても、何もそんなにセンチメンタルな気持ちになる必要はありません。
 その心は、と尋ねられたら、まだ生きているからと答えるでしょうね。

楷書 行書 草書

719. [][つる][画数:21画][部首:鳥]

懿公喜いこうきかく

 「衛の国の懿公は、家臣や国民を大切にせず、動物の鶴を好んで爵位を与えて大切にしていたが、戦争になると兵隊は鶴に戦わせればよいと言って協力せず、懿公は身を滅ぼしたという故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 俄かには信じがたい内容ですが、日本の歴史にも犬公方と言われた人がいました、江戸幕府5代将軍徳川綱吉がその人です。
 しかし、これも解釈の仕方で、法治国家の基礎を綱吉は築いて行くことになったとする人もいます。
 教科書でも、現在の教科書では「綱吉は仏教にも帰依し、生類憐みの令を出して、殺生を禁じた。これにより庶民は迷惑をこうむったが、とくに犬を大切に扱ったことから、野犬が横行する殺伐とした状態は消えた」「神道の影響から、死や血を忌み嫌う風習を作り出し、戦国時代以来の相手を殺傷する価値観は否定された」と記述されるようになり、随分その評価も変わってきました。
 以前の綱吉評価は、そろって「バカ殿」のイメージをクローズアップしていましたが、見る角度を変えると全く印象が変わります。
 ただ、この四字熟語が言いたいのは、自分が大切な物は、果たして公の立場で見た時にどのような評価になるかが問題だと言う事だと思います。
 この場合、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」と言った武田信玄から見ると、「たわけ者」以外の何者でもないと思います。

楷書 行書 草書

720. [][テイ][画数:7画][部首:口]

色反応』

 私達が良く知っている物にリトマス試験紙があります。多分小学校で習った記憶があります。
 このリトマス試験紙を、液に浸けると色が変わりますが、この色の変わる事を、呈色反応と言っています。
 ちなみに、リトマス試験紙には、赤色と青色があります。赤色のリトマス試験紙をアルカリ性の液に浸けると、青く変色します。青色のリトマス試験紙の場合は、酸性の液に浸けると赤く変色します。
 新型ウイルスも、こんな簡単な方法で検査が出来れば良いですね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の716.~720.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【漬】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【坪】土部(どぶ)・つち・つちへん
  3. 【爪】爪部(そうぶ)・つめ・そうにょう・つめかんむり
  4. 【鶴】鳥部(ちょうぶ)・とり・とりへん
  5. 【呈】口部(こうぶ)・くち・くちへん

 ・・・・つづく。