中学校で習う漢字三体字典 Part128

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

636. [][タ][画数:7画][部首:水]

『沙の限り』

 この言葉は知りませんが、調べて見ると、「論外」と言う事だそうです。
 「(1)とやかく言えないほどのひどさ。もってのほか。常識外。論外。(2)理か非か判定を下すことのできる限度内。 」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 私はこういう言葉を使った事はありませんが、どちらかと言うと、話し言葉ではなさそうです。
 しかし、こういう言葉は、文章として出てきそうですから、覚えておいた方が良さそうです。

楷書 行書 草書

637. [][ダ][画数:7画][部首:女]

『普遍当性』

 この言葉は「〘哲〙 〔英 validity; ドイツ Gültigkeit〕 ある判断の認識上の価値。ロッツェや新カント学派では、真なる命題が示す意味内容は判断主体の心理状態から独立で、普遍的承認を強いることができる。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とあります。
 通常「妥当」と言うと、適当と言うのでしょう。適当と言うと語弊があるかも知れませんが、適切と言えばよく解かるのかも知れません。
 しかし、この前に普遍と付くと、いつでもどんな時にでも適切と言える事などあるのでしょうか。
 刻一刻と変わっていくのが世の中であるとすれば、永遠に変わる事がないものなど、この世に存在しないと思います。

楷書 行書 草書

638. [][ダ][つば][画数:11画][部首:口]

『吐いたを呑む』

 誡めとなる言葉には、「吐いた唾は呑めぬ」とか「天に唾す」などがあります。
 この言葉は、朝令暮改のように、一度行った事を覆す事ですが、朝令暮改の場合、私は、英断もあると思っています。
 当然言った事をすぐに覆すのは、武士に二言は無いと言うのが日本男子だと思うのですが、これを取りやめるのですから、相当に勇気のいる事だと思います。
 しかし、この諺の場合は、一度言った事を簡単に覆すのは無責任な行為であると、そんな人を揶揄する言葉ではないでしょうか。
 何でもかんでも無責任に言った事を変えるようでは、人から信用されなくなっても仕方ないでしょう。まるで、オオカミ少年のようですね。

楷書 行書 草書

639. [][ダ][画数:12画][部首:土]

『自落』

 あまり良い言葉ではありませんね。辞書では「身持ちが悪くふしだらなこと。また、だらしないさま。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とあります。
 身持ちが悪いってどういう事なんでしょう。品行方正ではないと言う事だと思うのですが、ふしだら、が気になります。ケジメがないと言うのか、だらしがないと解釈しても良いかと思います。
 では、自分を振り返って見ますと、自堕落とは言えないまでも、そんなに品行方正ではない人生だったと思います。今は、と言われると、ある意味自堕落かも知れません。
 適当に起きて、朝の散歩がてらに、鍛練をして、1時間半から2時間位は身体を動かします。しかし昔のように根を詰めてやっている分けでもありません。
 帰ってから、ブログを更新して、お習字をしますが、これも気が向くままにやっています。

楷書 行書 草書

640. [][ダ][画数:12画][部首:心]

『遊

 まさに現在の私の生活がピッタリです。この言葉の意味の通り、仕事もせずにぶらぶら一日を過ごしています。
 しかし、遊んでいる分けではないのですが、やはり遊んでいると思われても仕方が無いでしょうね。
 毎日、非生産的な生活を余儀なくされています。
 だからと言って、仕事をしたいとも思っていませんし、遊びたい気持ちもありません。
 でも、やる気がなく生きがいを失くしてしまって、意気消沈している分けでもないのです。
 今年の始めに書いた『黙々』と言う字のように、日々を送っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の636.~640.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【汰】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【妥】女部(じょぶ)・おんな・おんなへん
  3. 【唾】口部(こうぶ)・くち・くちへん
  4. 【堕】土部(どぶ)・つち・つちへん
  5. 【惰】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ

 ・・・・つづく。