『礼と節』を表現してみよう。 Part-20 4. 『礼節』として伝えられている作法-----【ビジネスマナー 文書】

『礼節の作法』目次
1.礼の仕方  座礼  立礼
2.食事の仕方   和食  洋食
3. 座席の順序
4.ビジネスマナー 文書  名刺  時間
5.参列の仕方
6.しつけ
7.和室での礼儀
8.洋室での礼儀
9.同席の仕方
10.気配り
11.立てるという事
 現在は、ビジネスでもSNS(Social Networking Service)の時代になって来たのかも知れません。

 大阪商工会議所で第一回のマイコン講習に参加したのが、今から40年程前になります。この間の文明の発展は、コンピュータとネットワークに集約されるのではないでしょうか。

 ビジネスの世界もこの恩恵にあずかり、飛躍的な進歩を遂げてきました。ですから、いまさら「文書」、と言われるかも知れません。
 それでも、国会でも文書管理について議論される事が度々ありますので、まだまだ必要なスキルなのかも知れません。
 もちろん、昔のように手書きの文書を見る機会は殆どなくなりました。便箋からコピー用紙へと変化しています。だからと言って便箋が無くなった分けではありません。使用の目的によっては便箋を使う場合もあります。

 今はもう文書を書くというより、文書を打つと言った方がしっくりきます。
 メールで済ませる事が出来る場合と、文書にしてメールに添付する場合、あるいは、文書を印字して郵送する場合と、様々な区別がされるようになったのでしょう。
 この区別については、自分が所属する会社や業界によるルールに従わないと、『礼儀』に欠ける事になりますから、注意が必要です。

 前にも書きましたが、作法やしきたり、ルールはその時代、その地域、業界、あるいは環境により常識が変化していきますから、その事には敏感に反応していく必要があります。「昔は」とか「前には」、あるいは「前例では」は、通用しない事が多くなっています。時代の流れが思いのほか早くなっているのは、文明の進み方に比例しているのかも知れません。

 まず、文書と文章の違いを辞書から引用してみます。
 文書とは、「文字で書き記したもの。書き物。かきつけ。書類。もんじょ。」
 文章とは、「1.話し手または書き手の思考や感情がほぼ表現し尽くされている一まとまりの統一ある言語表現で、一つもしくは複数の文から成るもの。一編の小説・評論・詩などの類。講演や複数の話者による座談など音声言語を含めることがある。それ自体で表現が完結しているものならば、和歌や俳句も文章といえる。2.文に同じ。3.内面の徳が容貌や言語として外にあらわれるもの。」(出典:大辞林 三省堂.)
 要約すれば、文章で書かれた物を総称して文書あるいは書類、現在はファイルと言うように覚えておけば良いと思います。

 ビジネス文書には、文章にも文書にも作法があります。
 私の知ってるいる作法を書いて見たいと思います。これは、総務の仕事をしていた関係で、知っている必要があったので、ある程度身に付いたものです。

 文章ですが、百人百様の書き方がありますが、私は、次の事に気を付けています。
 1.句読点の使い方。   句点は「。」読点は「、」。「?」や「!」その他の記号の事を含めて約物(役物)と言います。
 私の知る限り、こうしないといけない決まりのようなルールは無いと思います。私は、読点を付ける場合一行30文字程度で折り返す場合、一行に3つ以上付いた場合は、文章を考えます。また、句点が無い文章もだらだらした感じになるので、できれば3行文章が続いた場合は、文章を考えて一旦区切るような書き方をしています。
 読点では、漢字が続いて読みづらい時は、どこかで読点を入れると読みやすくなります。ひらがなも同じです。
 主語が二つある場合や、述語が二つある場合は、なるべく一つにしますが、それでも複数になる場合は、一つの主語の後ろに読点を入れると分かりやすくなります。述語が複数の場合も同様です。
 私は、なるべく主語の後ろに読点を入れるようにしていますが、これも決まった事ではありません。
 接続語や形容詞、あるいは副詞の場合も、読んで見て意味がスッと入って来るように読点で意味ごとに分けます。
 ただし、これも感覚で、読みやすければ長くても短くてもかまいません。しかし、読みやすいかどうかは、主観なので、このような自分なりのルールに従って文章を書いています。
 2.段落。   同じ内容の文章は、一区切りの段落にします。段落とは読んで字のごとく、一段下げるという事で、改行した初めの文字一文字分を下に下げる書き方です。
 私は、このブログのような文章を書く場合は、通常の段落とは別に、段落の前に一行開ける事をしますが、ビジネス文書では、必要ないと思います。
 3.同じ言葉は使わない。   これは一つのテクニックだと思いますが、同じ言葉が続くと文章がくどくなるように思います。読んでいて、その言葉がまだ頭にある間は違う言葉で書くようにします。それでも同じ言葉しか使いようがない場合は、文章自体を書き改めるようにしています。
 今、お習字を通信教育で習っていますが、昔の和歌なども、万葉仮名と呼ばれるひらがなに漢字を当て、その漢字を崩して書かれてありますが、一つの和歌で同じ漢字が使われる事は稀だと思います。特に横並びになる事はありません。これは、同じ字形が並ぶことを嫌ったためと思います。いわゆる美的感覚でしょう。
 4.一般的では無い横文字は極力さける。   これは、外来語となっているチョコレートなど、漢字や平仮名を当てる方が反って分かりづらくなる場合は別にして、横文字を使う事で、知識をひけらかすような言葉の使い方をしないという事です。特にビジネス文書では、要件が第一ですから、要件が相手に伝わらないような言葉は避けた方が良いと思います。
 5.辞書で調べなければ分からない漢字を使わない。   これも、前の横文字と同じで、知ったかぶりにしかうつりません。もちろん読み手があまりにも漢字を知らない場合は別ですが。
 この事については、恥ずかしい思いをした事が何度もあります。せめて義務教育で習う漢字位は、読み書きできるようにしたいものです。

 私は、このような文章を書く事には少し自信があります。その理由は、上手く書く必要がないからです。そして、漢字も常用漢字の中でも小学校で習う、教育漢字程度の漢字を使う事で用が足りますので、私にはうってつけのルールです。教育漢字程度も全て読み書きできるまでにはなっていません。
 しかし、若い頃から母親の影響か語彙は豊富でした。これで言葉を幾つも言い換える事ができるようになったのだと思います。もちろん、このブログを書く時には、ググりますけど・・・。便利な物です。

 ビジネス文書とは言えませんけど、故佐々木武先生に教えてもらった「法制執務」に関する本は、条文などを作る時に役に立ちました。
 条文だけでなく、普通の文章を書く時に、箇条書きや段落のある項目を書く時、この本をいつも参考にしました。

 作法やしきたり、ルールなどは、人が色々な事を加味して作ったものですから、考えて分かるものではありません。幾つかこういう本をそばに置いておくのも頼りになります。