『礼と節』を表現してみよう。 Part-18 4. 『礼節』として伝えられている作法-----【ビジネスマナー 名刺】

『礼節の作法』目次
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礼の仕方  座礼  立礼
食事の仕方   和食  洋食
座席の順序
ビジネスマナー 名刺
参列の仕方
しつけ
和室での礼儀
洋室での礼儀
同席の仕方
気配り
立てるという事
 

 ビジネスマナーは、ビジネスマンの一挙手一投足ですから、色々な事を知らなければなりません。知っているか知らないかで、出世の糸口を掴むこともできますし、逆に逃してしまう事にもなります。

 『礼節』については、前回までに色々な事に触れてきました。しかし、概ね人が生きていく中で、知っていれば得、知らなければ知らないままで過ぎ去ってしまう事もあったと思います。

 しかし、前回の席順などは、ビジネスマンだけではなく、組織人として知っている必要を感じる事も出て来たと思います。今回もビジネスマンにとって、これだけは心得ておいた方が良いと思う事を挙げて見たいと思います。

 服装や靴、あるいは身に付ける物については、ある程度前回までに書きました。

話し方 TPO 電話 手紙・メール 品格 立ち振る舞い 持ち物身に付ける物 続・持ち物身に付ける物
 ここでは、上記以外でビジネスマンとして必要な作法を考えて見たいと思っています。

 最初に思う浮かぶのは、「名刺交換」でしょう。私も以前は気を付けていましたが、15年程は総務の仕事をしていましたので、相手から名刺を受け取る事が多くなり、名刺交換の作法が疎かになっていたように思います。

 まず、名刺を切らしてはならない事が一番大切です。今の私のように会社勤めをしていない場合は、「名刺は持っていません」で通りますが、会社員はそういう分けにはいきません。戦場で刀を抜こうと思ったら、刀を忘れていたようなものです。『非礼』を通り越して『無礼者』にされてしまいます。
 そんなアホな、と思いますが、名刺は名刺入れに入れるとなかなか確認しません。名刺交換の時に後少ししかないと気付く位です。しかし、話しに真剣に対応していると、そんな事は直ぐに忘れてしまいます。しかも、一日に何人もの人と名刺交換する必要のある人は、あっと言う間に無くなってしまいます。
 このミスを取り返すのはなかなか難しいものです。初めの印象は大切ですから、名刺入れの中身は朝出る時に確認するよう習慣づけた方が良いと思います。また、このミスを無くすためには、名刺入れの予備を違う所に入れておくのも一つの方法です。

 名刺は両手で持って、相手が名刺の名前を読める方に向けて渡します。名刺入れを持っている場合は、名刺入れの上に名刺を置いて、名刺を親指で押さえるか、名刺入れを両手の中指と人差し指で挟み、名刺をその人差指の上に置き、親指で押さえて持ち、胸の高さに上げて差し出します。
 黙って差し出すのは良くありません。会社名と部署、そして名前を口頭で伝えながら渡すようにしましょう。名刺交換は、自己紹介の場であることも知っておくとよいでしょう。
 そして相手から名刺をもらう場合も、名刺入れの上で同じように頂きます。この時、自分の名刺も相手の名刺も名前を指で押さえないよう注意します。

 一緒に名刺を出した場合は、上の者が先に受け取れるようにします。その時渡す人は、相手の名刺より下にして差し出します。ただし、どんどん下に行くとおかしな事になってしまいますので、こんな時は相手と同じ高さにします。

 名刺はその人の顔とも言われますので、相手の前で名刺に書き込みはしないようにしましょう。これも『失礼』になります。
 ただし、名前が読めない場合は、読み方を聞いてもかまいません。名前は通常の漢字の読み方と違う場合もありますので、聞いておく方が良い時もあります。
 それから女性がお酒の相手をしてくれるような場所で、女性から名刺をもらう場合があると思いますが、ビジネスマンは、座って名刺の交換をするのは『礼儀』に反しますので、真似はしないように。

 これは、日本での名刺交換の作法ですので、世界共通ではありません。外国では、『失礼』になる事もありますし、逆に名刺に対して失礼な扱いをされる場合もありますので、外国に行って名刺交換する場合は、予めその国の作法を調べる必要がありそうです。