学校で習う漢字三体字典【小学二年生編】Part-23

 小学校二年生で習う、160字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

31.[][キョウ]ゴウ[つよ-い][つよ-まる][つよ-める][し-いる][11画][きゅうぶ]
『富国兵』

楷書 行書 草書

32.[][キョウ][おし-える][おそ-わる][11画][ぼくぶ]
外別伝』

楷書 行書 草書

33.[][キン][ちか-い][7画][ちゃくぶ]
『遠くてきは男女の仲』

楷書 行書 草書

34.[][ケイ][キョウ][あに][5画][じんぶ]
弟姉妹

楷書 行書 草書

35.[形][ケイ][ギョウ][かた][かたち][7画][さんぶ]
『有無形

楷書 行書 草書
教わる事-3

 前回は、教わる時に必要な要素の中で、心にスポットを当てて考えて見ましたが、今日は少し整理してみましょう。

  1. 教わる覚悟(心)
  2. 意思の疎通(教える側の伝達力・教わる側の習熟度と理解力)
  3. 必要な身体能力(柔軟性・筋力・持久力)
  4. タイミング(間)
  5. 間合い(距離)
  6. 気づき
  7. 工夫(考える)
  8. 修練(繰り返し・身に付ける)
  9. 守破離と言う事

    整理するとこのような要素が思い浮かびます。

 1.は、前回考えた心の大切さ、心の在り方、すなわち覚悟と言えます。

 やはり、教わる側には素直に教わる態度が必要だと思います。

 今日は2.の意志の疎通について考えて見る事にします。

 意思の疎通と云うのは、一方通行では成り立たないと思っています。教える側と、学ぶ側に共通の言葉が必要になります。共通の言葉と云うのは、どちらも理解可能な言葉を使うという事です。

 よく難しい言葉を使って教える人がいますが、確かに四文字熟語や故事には、伝えられる内容が凝縮して入っていますので、使いたくなる気持ちは良く分かります。もちろん、難しい言葉を使って自分を高く見せたり、煙に巻くような指導者は論外です。

 しかし、学ぶ側にその知識があるとは限りません。ですから、義務教育で習う言葉、できれば小学生に理解できるような言葉で教える方が相手に伝わりやすいと思っています。

 これは何も相手を見下げている分けではありません。もちろん、『人を見て法を説け』と言う言葉もありますから、学ぶ人の理解できる範囲を知る必要があります。

 私の場合は、自分が辞書を引かなくても解る言葉を使うようにしています。それでも、自分中心ですし、長年使っている専門用語などは、学ぶ人にとっては難解になる事もしばしばあります。ですから、相手の顔色をよく見て、伝わっていないと思えば、違う言葉に置き換えるようにしています。

 最近は特に価値観の多様化などと、言葉の意味の取り方まで多様化したかのような風潮なので、相手に真意を伝える事が難しい時代になったと思います。

 先ほど、『人を見て法を説け』と書きましたが、その人の習熟度に合わせた教え方も必要だと感じています。同時に教えられる側も同じように、教えている人の言葉を理解する努力をする必要があるでしょう。常に受け身であっては学ぶ事も出来ないと思います。

 私は、空手道では人を教える立場です。書道では、一応正師範と言う教えられる立場になりましたが、自分では、学ぶ姿勢にあることに変わりありません。

 空手道でも日本空手道髓心会では、確かに教える立場ですが、常に学ぶ姿勢を持たなければならないとも思っています。

 何事も、死ぬまで勉強だと思います。また新しい気付きがあった時は、幸せな気持ちになります。

 伝える事は非常に難しいと思います。言葉では伝えきれない事もあります。「以心伝心」と言われるような伝え方もありますが、私が思うには、以心伝心と云うのは、すくなくともお互いに同レベルである必要があると思っています。同レベルというよりも、同じ方向を向いている、あるいは、同じ道にあると言った方が良いかも知れません。

 そのような関係であれば、水が高い所から低い所に流れるように、ごく自然に物事が伝わっていくのでしょう。

 ・・・・つづく。

【参照】
「以心伝心」 (1)〔六祖壇経「法即以レ心伝レ心、皆令二自悟自解一」〕 禅宗で、言葉では表せない仏法の神髄を無言のうちに弟子に伝えること。

(2)考えていることが、言葉を使わないでも互いにわかること。
(出典 :大辞林第三版 三省堂.)