学校で習う漢字三体字典【小学四年生編】Part103

 小学校四年生で習う、202字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

71. [][サイ][な][画数:11画][部首:艹]

『物は言い残せ は食い残せ』

 古くからの諺には、なるほどと思うものが沢山あります。この言葉も含蓄のある言葉ですね。
 腹八分目が健康に良いと言われていますし、言葉は過ぎるとロクな事にはなりません。
 「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と同じですね。

楷書 行書 草書

72. [][サイ][もっと-も][画数:12画][部首:曰]

『攻撃は大の防御』

 孫子の兵法の第四章「形篇」に「勝つべからざる者は守なり。勝つべき者は攻なり。」と言うのがありますが、当然と言えば当然の言葉です。
 要するに勝とうとする者は、守っていても勝てない、攻める者に勝機はあるという事です。
 しかし、戦いと言うのは、そんなに簡単なものでは無いと思っています。
 守りを固めて、チャンスが見つかる事もありますし、攻撃の中から勝機が巡って来る事もあります。
 ただ、チャンス到来の時には攻撃をする必要があります。それがこの言葉の意味だと思います。
  

楷書 行書 草書

73. [][ さい][画数:11画][部首:土]

玉県』

 地名や人名にはこの「埼」と言う漢字を見る事はありますが、言葉として使われる事は、残念ながら私の知る限りでは出会った事はないように思います。
 「埼」と言うのは突き出た所を意味しているようですが、埼玉県の地名の由来は、どうも「さきたま」と言う説が有力ですが、その「さきたま」も「多摩の先」、「湿地の先」あるいは、「幸魂」があるようです。どれも根拠がないと云う事ですが、万葉集に「前玉さきたま」「佐吉多万さきたま」と見られますので、「さきたま」が「さいたま」になったのでしょう。。

楷書 行書 草書

74. [][ザイ][画数:7画][部首:木]

『良工はを択ばず』

 「弘法筆を選ばず」と意味は同じだと思いますが、弘法も筆を選ぶのではなく、その筆に応じた文字を書いたと云うように聞いています。
 その材料に合わせて物を造ると言う事なのだと思います。ただ、弘法も良工も材料を見る目は、人より優れていたと思います。

楷書 行書 草書

75. [][さき][画数:11画][部首:山]

『野参り』

 子供の頃は、近くの川に船着き場があり、そこから野崎参りの屋形船が出ていたそうです。
 この「崎」と「埼」は、海図では「埼」、地図帳では「崎」と同じ地名でありながら、文字が違う場合もあるようです。例えば観音崎と観音埼などがあります。

楷書 行書 草書
覚 書

現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

今回は、小学四年生の文字の71.~75.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【菜】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう
  2. 【最】冂部(けいぶ)・けいがまえ・まきがまえ・どうがまえ・えんがまえ
  3. 【埼】土部(どぶ)・つち・つちへん
  4. 【材】木部(もくぶ)・き・きへん
  5. 【崎】山部(さんぶ)・やま・やまへん

 ・・・・つづく。