学校で習う漢字三体字典【小学四年生編】Part99

 小学校四年生で習う、202字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

51. [][クン][画数:10画][部首:言]

告』

 「免職(懲戒、諭旨)・停職・減給・戒告」通常はこのような順で罰則を定めています。しかしこの訓告の場合は、この罰則よりも軽い、いわゆる「しかられる」程度です。しかし、これも重なると、次には戒告になるかも知れません。ご用心。

楷書 行書 草書

52. [][グン][画数:9画][部首:車]

『敗の将は兵を語らず 』

 元になった言葉は、「敗軍の将は勇を語るべからず、亡国の大夫は存立を図るべからず」と趙の参謀、武君左車さしゃが云った言葉だそうです。『史記』准陰候わいいんこう伝にあります。
 なぜ、「勇」が日本語になる時に「兵」になったのかは分かりませんが、ただこの場合の「兵」は兵隊の事ではなく、兵法の事だという事です。
 ようするに、負けたら潔く弁解などしない方が良いという事です。

楷書 行書 草書

53. [][グン][画数:10画][部首:阝]

奉行 』

 「江戸時代、諸藩の職名。農政・民政・訴訟など地方じかたに関する事柄を職務とした。郡代。代官。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 今でも〇〇郡と言う地名が残っています。明治時代、大正時代には「郡長」がいたそうです。
 本当に令和になって、どんどんと時代が過ぎ去っていくようです。

楷書 行書 草書

54. [][グン][む-れる][む-れ][ むら][画数:13画][部首:羊]

『 鶏の一鶴』

 鶴が鶏よりも優れているかは定かではありませんが、人間から見ると、美しく秀でていると見えるのでしょう。この場合は凡人の中に優秀な人がいる事をいいますが、「みにくいアヒルの子」と言う童話にもありますが、他人と違うからと言って卑下する必要もありません。
 苦労はすると思いますが、良い事が待っているかも知れません。

楷書 行書 草書

55. [径][ケイ][画数:8画][部首:彳]

直情ちょくじょうけいこう

 「思ったことをかくさず、そのまま言ったりしたりすること。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】とありますが、このまま読むと、素直で長い物に巻かれない勇気のある人に見えます。
 しかし「周囲や相手を顧みることなく、感情のなすまま、思うままに行動すること。」と学研 四字辞典熟語にあるように、自分勝手でわがままな人ともとれます。
 私は後者に匹敵する人を沢山見てきました。

楷書 行書 草書
覚 書

現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

今回は、小学四年生の文字の51.~55.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【訓】言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん
  2. 【軍】車部(しゃぶ)・くるま・くるまへん
  3. 【郡】邑部(ゆうぶ)・むら・おおざと
  4. 【群】羊部(ようぶ)・ひつじ・ひつじへん
  5. 【径】彳部(てきぶ)・ぎょうにんべん

 ・・・・つづく。