学校で習う漢字三体字典【小学四年生編】Part120

 小学校四年生で習う、202字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

156. [][ハク][ バク][画数:12画][部首:十]

一粲いっさんす』

 謙遜の言葉ですが、覚えておくだけで使わない方が良いと思う方です。意味としては自分の詩文が人に見られてもお笑い草になると言う意味です。
 こんな言葉を使うこと自体が博識であることを吹聴しているように思うのですが、こんな言葉くらいは使えないといけないのでしょうか。私には自信がありません。

楷書 行書 草書

157. [][ハン][画数:7画][部首:阝]

『大

 大坂夏の陣と坂の字を書くのを見た事があります。漢字の経緯は色々とあります。なぜなら、もともと漢字であり日本字では無いからだと思います。
 しかし、変わって来た経緯があり、その意味もあると思います。
 では昔から大坂と坂の字を使っていたかと言うと、そうでもなさそうです。江戸時代でも稀に「阪」の字が見られるそうです。
 明治になると大阪と定めたのですが、阪も坂も混ざって使われる事があるようです。
 いろいろな説の中で、「文化5年(1808)刊行の『摂陽落穂集』によると、坂は分解すると「土」と「反」に分けられ「土に返る」と読めることから、縁起がよくないと忌み嫌って「阪」を用いる人がいたとある。」【出典:日本実業出版社.】この説は、説得力があると思いました。

楷書 行書 草書

158. [][ハン][めし][画数:12画][部首:飠]

『一千金』

 一宿一飯と言う言葉もあるとおり、食事と言うのは恩義に思わないといけない時代が長い間続いたと思います。
 しかし、現在では一食数万円のご馳走もありますが、百円もあれば一食を賄う事もできる時代になりました。
 私は今まで随分人からご馳走になった覚えがあります。しかし、まったく恩義に感じていません。
 確かに一食一人5万円程度の接待を受けた事もありますが、これは利害関係があっての話です。ある時は3人分の食事代が30万円と言う事もありました。それでも私は感謝もしていません。それなりの理由があったからです。
 千金と言われるような価値があれば、それが例え金銭的な価値が無くても、私はずっと感謝し続けると思います。

楷書 行書 草書

159. [][ヒ][と-ぶ][と-ばす][画数:9画][部首:飛]

竜乗雲』

 似た言葉に「飛ぶ鳥を落とす勢い」と言うのがあります。しかし、この言葉は才能ある人が時流に乗って、その才能を開花させると言う意味だという事ですから、才能の無い人はどうすれば良いのですかね。
 私は才能のあるなしは、好きになれるかなれないか、努力できるかできないか、だと思っています。
 何か打ち込めることが見つかれば、苦しいかも知れませんが、楽しい人生になるかも知れません。
 そしてこの言葉のように時流に乗る事ができれば、もっと人生が豊かになることでしょう。

楷書 行書 草書

160. [][ヒツ][かなら-ず][画数:5画][部首:心]

『盛者衰』

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」平家物語の冒頭の部分にこの「盛者必衰」と言う言葉が出てきます。
 この平家物語の維盛入水の部分に「生者必滅しやうじやひつめつ会者定離ゑしやぢやうりは、憂き世の習ひにて候ふなり。」と言う言葉も見つかります。
 少し意味合いは異なりますが、どちらも世の中の無常を表しているのでしょう。ごくごく当たり前の事ですが、生きている者は永遠を望みますし、会った人も永遠にその関係が続くと考えるのが人です。

楷書 行書 草書
覚 書

現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

今回は、小学四年生の文字の156.~160.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【博】十部(じゅうぶ)・ジュウ
  2. 【阪】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  3. 【飯】食部(しょくぶ)・ショク・しょくへん
  4. 【飛】飛部(ひぶ)・とぶ
  5. 【必】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ

 ・・・・つづく。