学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part176

 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

41. [][ケン][画数:16画][部首:心]

法施行』

 憲法と言うと、現在の憲法を昭和憲法あるいは現行憲法と言いますが、私はその憲法施行の2日後に生まれました。それでその「憲」の一文字をもらったようです。
 憲法には施行と公布がありますが、公布したのが、昭和21年11月3日、その6ヵ月後の昭和22年5月3日に施行されました。ずっと発布と思っていましたが、発布の意味は公布とほぼ同じだと言う事です。しかし、発布は大日本帝国憲法の事を言うようです。当時の呼び方を使っているようです。ただし法律用語では、発布とは言わず、公布と言うようです。

楷書 行書 草書

42. [][ゲン][みなもと][画数:13画][部首:氵]

清ければ流れ清し』

 組織の在り方、上に立つ者への訓戒としては、生きた言葉だと思いますが、そう上手く行かないのが現状だと思います。
 自然にしても、清らかな水源が川を下るたびに汚れ、水を濁している事も現実として捉える必要があるでしょう。
 政治の世界でも、上に立つ者、旗振り役の人が如何に清廉潔白であっても、それを具現化する中で、私利私欲にまみれていく姿を見ると、残念でなりません。

楷書 行書 草書

43. [][ゲン][ ゴン][おごそ-か][きび-しい][画数:17画][部首:攵]

正中立』

 基準と言うものがしっかりしていて、かつ自分の考えと同じであれば、この言葉のような立場に立てると思います。
 しかし、ほとんどの場合、偏った見方をしてしまうと思います。考えがまったく違う人の言う事を、客観的に見なければならないとは思いますが、どうしても自分の考えに近い人を正しいと考えてしまいます。
 仮に対立している人、あるいは国に対して中立の立場に立たなければならないのであれば、やはり基準をしっかり決めておかなければならないと思います。

楷書 行書 草書

44. [][コ][キ][おのれ][画数:3画][部首:己]

を以て人を量る』

 あの人は良い人であるとか、悪い人であるとか、人は兎角評価しがちだと思います。その評価によってその人の人格を決めているのでしょう。
 しかし、自分自身は、何を基準にして正しいと判断しているのでしょう。
 もしかしたら、一生の課題かも知れません。

楷書 行書 草書

45. [呼][コ][よ-ぶ][画数:8画][部首:口]

『呼ぶよりそしれ』

 何度かそんな事がありました。悪口を言うと、その悪口を言っていた本人が本当に現れます。
 呼ぶよりも、悪口を言った方が早いと言った諺ですが、そんなことは無いとは思いますが、実際に何度か体験しています。不思議な事です。
 悪口なんか言わない方が良いと、頭では理解しているつもりでも、世の中には言いたくなる人もいますね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の41.~45.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【憲】・心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  2. 【源】・水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  3. 【厳】・厂部(かんぶ)・がんだれ
  4. 【己】・己部(きぶ)・コ・キ・おのれ・イ・すでに・シ・み
  5. 【呼】・口部(こうぶ)・くち・くちへん

 ・・・・つづく。