学校で習う漢字三体字典【小学六年生編】Part175

 小学校六年生で習う、191字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 小学校で習う漢字を書いてきました。これまで、續木 湖山先生が編集の毛筆書写事典を手本にして書きましたが、今は江守賢治先生が編集された楷行草、筆順・字体字典を手本に書いています。

 理由は見やすさもありますが、五年生までは学年に応じた書体を書かれたと言う事で使わせてもらいました、江守賢治先生の場合は、より書道的な字体に編集されていると思いましたので、そろそろ大人の字体が良いと思い変更しました。

 例えば、今までの「きへん」は、縦の棒(2画目)は最後止めて書いていましたが、従来の楷書の書き方は撥ねるのが一般的だと説明されていますので、その書き方に準じています。

36. [激][ゲキ][はげ-しい][画数:16画][部首:氵]

叱咤激励しったげきれい

 「大声をあげて励ましたり叱ったりして、相手の気持ちを奮い立たせること。」【出典:四字辞典熟語 学研.】と、相手をやる気にさせるために怒っていると理解しています。
 しかし、これも時と場所を選ばないと、相手のやる気を無くしてしまいます。
 何も大声を張り上げて、他の人に聞こえるように、相手を罵倒するような叱り方はしない方が良いと思います。
 そうしないと、反省しない、あるいは心に響かないと言う人がいますが、それは自分がそう思い込んでいるだけで、相手はただ頭を下げて、時が過ぎるのを待っているだけかも知れません。
 そんな自分勝手な思いをしている人を何人か知っています。これも今で言う「サイコパス」かも知れません。

楷書 行書 草書

37. [穴][ケツ][あな][画数:5画][部首:穴]

『同じ穴のむじな

 貉と言うのはアナグマの事を言うらしいのですが、狐や狸も含めて、穴を掘る動物の事を言うようです。
 先日テレビでそのような説明があったと記憶しています。
 一般的には、悪い人達の事を言うようですが、一見違うように見えても、やっている事や性格は同じようなものだと言う時に使います。

楷書 行書 草書

38. [][ケン][画数:8画][部首:刀]

に関わる

 もともと、沽券と言うのは、土地の権利証のようなものを言ったのですね。売り渡した事への証文です。
 では、なぜそんな証文に関係するのでしょう。江戸時代にはそれが売値の意味になり、それが値打と変化し、人の品位までも沽券と言う言葉で表すようになったようです。
 ですから、自分の値打や生き方が下がってしまう事で、この言葉を言うようになったのかも知れません。

楷書 行書 草書

39. [][ケン][きぬ][画数:13画][部首:糸]

幼婦こうけんようふ

 知っていても蘊蓄にもならないかも知れません。それでも話が面白いので調べて見ました。
 「古代中国の魏の曹操が楊修と曹娥の石碑を通ると、石碑には「黄絹幼婦、外孫セイ臼」と書いてあった。
「外孫」は女子という意味で、漢字の「好」のこと、「セイ臼」は香辛料を挽く臼のことで、香辛料は舌に辛いという意味から、漢字の「辞」のこと。
合わせると「絶妙好辞」と解釈して、楊修と答えを合わせると同じになったという故事から。」【出典:四字熟語事典ONLINE.】
 意味は、二人の解釈が一致する事、また正確に物事を理解する事などですが、素晴らしい文章のたとえとしても使うようです。
 私なら、名文、で済ますでしょうね。

楷書 行書 草書

40. [権][ケン][ ゴン][画数:15画][部首:木]

『権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる』

 骨折り損のくたびれ儲け、とも言いますが、人が折角一生懸命にした事を他の人がぶち壊してしまう事を言うようです。
 世の中には、知ってか知らずかそんな事もあると思います。
 権兵衛にはなっても、烏にはなりたくありません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在小学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いています。初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、小学六年生の文字の36.~40.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【激】・水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【穴】・穴部(けつぶ)・あな・あなかんむり
  3. 【券】・刀部(とうぶ)・かたな・りっとう
  4. 【絹】・糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  5. 【権】・木部(もくぶ)・き・きへん

 ・・・・つづく。