中学校で習う漢字三体字典 Part155

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

771. [][トウ][画数:17画][部首:言]

『戸籍本』

 戸籍抄本と戸籍謄本がありますが、抄本は戸籍の一部が掲載されているもので、個人一人の事項が抜粋されています。謄本はその戸籍にいる人全ての事項が載っています。しかし、どちらも原本をコピーしたもので、本人であっても原本を入手する事はできません。
 ちなみに、「平成28年5月から特定の市区町村を本籍地とする証明書については、マイナンバーカードを利用することにより、同一市区町村内に限らず戸籍の記録事項証明書のコンビニ交付が可能となった。」と平成29年8月にまとめられた、戸籍制度に関する研究会資料に載っていました。

楷書 行書 草書

772. [][トウ][ふじ][画数:18画][部首:艸]

『男は松、女は

 男は、女は、と言うと男女差別と言われかねません。しかし、個人的には、性差と言うものがあると思っています。
 この言葉は、男は大地に根を張り、女はその松を頼りにすると言った意味らしいのですが、あくまでも個人的にですが、そうありたいと思っています。
 最近は男女の差が、どんどんなくなって行くように思うのですが、男は男らしく、女は女らしく、と言った時代の方が私にはしっくりくるのですが。
 かと言って、私は母から根無し草、浮き草と言われていましたから、大地に根を張ってはいませんね。だからだれからも頼られないのかも。

楷書 行書 草書

773. [][トウ][たたか-う][画数:18画][部首:鬥]

諍堅固』

 「仏教者が各宗派ごとに自説を主張し合って、言い争うこと。仏教の言葉で、仏教では釈迦の死後、宗派の対立が二千五百年間続くとされ、この期間を五つに分割した第五期間の名称。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】に載っています。ちなみに、この五つに分割したものは、解脱堅固・禅定堅固・読誦多聞堅固・多造塔寺堅固・闘諍堅固と言われています。各々500年で合計2500年で、釈迦入滅後の仏教の世界を表していると言われています。
 釈迦入滅は紀元前544年とされていますので、すでに2564‬年経っています。さて現在の仏教界はどうなんでしょうね。

楷書 行書 草書

774. [][トウ][画数:20画][部首:馬]

雲奔らいとううんぽん

 こんな四字熟語を使う事は、まず無いと思います。意味は一瞬の間もなく過ぎ去っていく時間の事を言うのでしょうが、それなりの文学的な素養が必要だと思ってしまいました。
 それと、価値観が違うのかも知れません。文章を書く時の姿勢が違うのでしょうね。私はまず自分が読んで解りやすく書く事を第一に考えています。
 この解りやすくと言うのも問題ですが、私の教養の範囲で解りやすいと言う事で、勉強が出来、教養のある人は、この程度の四字熟語は使う機会があるものと推察します。
 確かに、この中学生で習う文字を書いていますと、読めない漢字や書けない漢字も出てきます。少なくとも当用漢字と言われているものは、読み書きしたいとは思っています。

楷書 行書 草書

775. [][ドウ][ほら][画数:9画][部首:水]

ケ峠ほらがとうげ

 違った言いかに、「洞ヶ峠を決め込む」と言うのがありますが、日和見主義と言う意味で使われています。
 筒井順慶(1549~1584)がその本人ですが、山城の合戦の時、明智光秀から協力を求められたのですが、これを断り、この洞ヶ峠に陣取って戦局を傍観し、勝った豊臣秀吉の味方にくみしたことからこの言葉が生まれたようです。
 しかし、どうもこの洞ヶ峠には出陣していない、と言うのが真相のようです。
 個人的には何だか卑怯な気もしますが、大勢の家来の将来を一身に背負っている事を考えたら、簡単に批評できないと思います。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の771.~775.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【謄】言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん
  2. 【藤】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう
  3. 【闘】鬥部(とうぶ)・とうがまえ・たたかいがまえ
  4. 【騰】馬部(ばぶ)・うま・うまへん
  5. 【洞】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。