中学校で習う漢字三体字典 Part191

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

951. [][ボウ][かたわ-ら][画数:12画][部首:人]

そばづえを食う』

 とばっちりを食う、という方が一般的かも知れません。それでも、この言葉も昔は聞いた覚えがあります。
 要するに、巻き添えになる事ですが、交通事故でもあります。他人の交通事故に巻き込まれたりすると、ほんとに運が悪いとしか言いようがありません。
 ただ、これに悪い意志が働いた場合は、たまったものではありません。ようするに、道連れにされてしまう事もあると思います。
 歌の文句に「おまえと道連れに」と言うのがありますが、この歌のような道連れならいいのですが、悪い事、あるいは失敗の道連れにはされたくありません。
 しかし、世の中には、自分の責任を転嫁するために、人を引き込むような人もいるので、注意が必要です。
 三人寄れば文殊の知恵、ではなく、みんなで渡れば怖くないの類です。

楷書 行書 草書

952. [][ボウ][画数:12画][部首:巾]

『亭主の好きな赤烏子』

 今では、こんな理不尽な事など無いと思います。家庭の中での亭主の地位は、どんどん低くなっているようです。
 一昔前までは、主人が黒と言えば、白い物でも黒くなる、と言われたものです。
 権力と言うものは、人事権を握られていると、上司に逆らう事は、結局出世の糸口を、自らの手で切ってしまうようなものかも知れません。ですからなかなか反論できないと言う事も現実にはあります。
 その点昔の直訴は、命懸けでしたものと聞いています。
 確かに、組織を維持する為には、何でも意見を聞いていると、バラバラになってしまいます。
 だからと言って、黒い物を白とはなかなか言えないと思います。
 ただ、自分では白に見えているのに、なぜ上司は黒と言うのかは、考えた方が良いのかも知れません。
 この諺は一般的には黒の烏帽子と決まっているのを、なぜ亭主は、赤い烏帽子が好きだったのか、それには疑問が残るところです。

楷書 行書 草書

953. [][ボウ][画数:14画][部首:豸]

『以取人』

 好き嫌いなら別ですが、賢いとか、馬鹿だとか言う判断に容姿を持ち出す事自体が、愚考と思います。ですから、この四字熟語のように、賢愚の判断材料に容姿は関係ないのは、言うまでもありません。
 ところが、男女にかかわらず、美醜は結構、その人が出来るとか、出来ない事の判断材料になる事も事実です。総務部長をしていた事がありますので、ある意味合っていると思います。
 もちろん、美醜と言っても、モデルや男優女優、あるいはアイドルなどのそれとは違います。
 何となく、経験を積みますと、色々な人と出会いますから、出来る顔、出来ない顔と言うものも、分かるような知識が身についてきます。
 それでも、これは一つの偏見になりますから、面接の時にはそんな考えは払拭して、その人の能力を見逃さないようにしないと、会社の為にも、その人の為にもならないと考えていました。

楷書 行書 草書

954. [][ボウ][ふく-らむ][ふく-れる][画数:16画][部首:肉]

『宇宙張』

 宇宙に関しては今まで色々言われて来ました。その中でも有名なのが、アインシュタインが「宇宙は静止している」と言った事だと思います。
 しかし、その後アインシュタインは、その事を「人生最大の過ち」と言っています。
 随分前から宇宙膨張説はあったと記憶しているのですが、2011年のノーベル賞受賞者、サウル・パールミュッター博士、ブライアン・シュミット博士、アダム・リース博士の3人が宇宙の膨張が加速していることを、観測で示したことで受賞したようです。
 ただ膨張しているだけではなく、その速度が増していると言うのです。
 今までは、膨張はいつか止まり、収縮すると考えられていたようです。
 しかし、その後の研究で、未来永劫宇宙は膨張すると言われるようになったようです。
 永久的に膨張すると言うのは、理解の域を出ています。よく分からない世界ですね。

楷書 行書 草書

955. [][ボウ][(ム)][はか-る][画数:16画][部首:言]

『大功を成す者は衆にらず』

 確かに、今まで英雄と言われた人、あるいは歴史を動かして来た人物は、自己の信念が強いのか、自信の表れなのか分かりませんが、一々大衆の意見を聞いていたら、物事が前に進みません。「船頭多くして船山に登る」と言うようにです。
 仮に今、その人達を偉人と呼ぶとすれば、大衆をあてにしていないか、それとも取るに足りない、と考えているのか分かりませんが、自身の考え方が正しいと思わなければ、前に進めなかったのかも知れません。
 ある意味、傲慢で身勝手と思う人もいたかも知れません。それでも、自分のやり方が結局は人の為になると信じていたのだろうと思います。
 ただ自身の為だけなら、それは、やはり独善的と批判されても仕方がないと思います。
 しかし、それも結果が良ければの話で、大変な覚悟を強いられたのだと思います。
 ただその時に傍にいる人から見ると、サイコパスに見えると思います。
 なぜなら、社会を形成している大半は凡人と呼ばれる大衆で、その大衆が生きやすいように社会を作っています。ですから、偉人と呼ばれる人は、凡人から見ると天才でもあり、反社会的人格の一種であり精神病質者と言えるのかも知れません。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の951.~955.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【傍】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  2. 【帽】巾部(きんぶ)・はば・はばへん・きんへん・きんべん
  3. 【貌】豸部(ちぶ)・むじなへん
  4. 【膨】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  5. 【謀】言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん

 ・・・・つづく。