中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
946. [肪][ボウ][画数:8画][部首:肉]
『脂肪肝』
もう何年前か忘れました、65歳は過ぎていたと思うのですが、脂肪肝と診断された事があります。
CT検査だった思うのですが、撮影した後で医師にその結果を聞くのです。その時に色々説明を受けました。
説明を聞いた後、「この病院でその手術はできるのですか」と質問したのですが、答えは「人の話を聞きなさい」でした。
随分最後まで、その医師の話を聞いていたつもりなんですが、それからは何も質問せずに、そしてその医師も何の説明も追加せず、診察は終わりました。
かなりその時は憤慨していたのですが、診察料を払うため待合室で座っていて思ったのです。
私も結構年老いていますが、座っている人の大半は私よりもかなり年配の人だったと思います。
その先生も、一日中、訳の分からない老人の話を聞いていてストレスが溜まっていたのでしょう。待合室の人達の話は、本当に理解するのが難しいくらいでしたから。
笑い話ではありませんが、その医師の名前が、藪、でした。ちなみに、この藪先生は女性で、多分私より年配だったと感じました。
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947. [某][ボウ][画数:9画][部首:木]
『某より金貸し』
これは、「ぼうより」と読むと訳が分からなくなります。「なにがしより」と読むと、「かねかし」と語呂合わせになり、ちょっとウイットにとんだ言い方になりそうです。
意味としては、どんなに卑しく思われても、人から後ろ指を指されようが、実利を優先すると言う時に使う言葉のようです。
実利とは、その人によって違います。名誉に価値を求める人も居ますし、地位にその価値を見出す人もいます。一番の実利は、やはりお金でしょうね。
この「なにがし」と言うのは、大阪弁で言えば「ええとこの人」、いわゆる家柄が良いと言う事です。
家柄よりも金、そういえば「同情するなら金をくれ」と言うセリフがありましたね。
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948. [冒][ボウ][おか-す][画数:9画][部首:冂]
『撃排冒没』
史実は解りませんが、織田信長の攻撃の仕方を思い浮かべました。後の事など考えずに徹底的に攻撃し、手加減しない事だと思います。
一見非情なように見えますが、戦とはそんな物かも知れません。
禍根を残さないためには、根絶やしにしなければ、いつどのような形で報復を受けるか分かりません。
しかし、一般的には相手に救いのある方法で決着を付けた方が、反って穏便に治まるかも知れません。ただし、相手によりけりで、恨みが文化になっている場合には、なかなか難しいでしょう。解決の糸口が見えません。
それを何百年と続けられるのですから、やはり文化ですかね。普通恨みは、どんなに長くても一代で消滅すると思うのですが、考え方の相違でしょう。
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949. [剖][ボウ][画数:10画][部首:刀]
『豆剖瓜分』
歴史は、殆どの国が大きくなったり、細分化されたと思います。
ローマ帝国は、確かに世界を席巻したイメージがありますが、結局は色々な国に細分化されました。と、言うより初めは細分化された状態だったと思います。
日本も天下統一という名のもとに、孤軍奮闘した人もいました。英雄ともてはやされる事もあったと思いますが、本当に喜んだ人ばかりだったのでしょうか。
世界で一番大きな帝国、どこだと思いますか。私はローマ帝国かな、と思っていましたが、広さで言えば、イギリス帝国、モンゴル帝国、ロシア帝国と続きます。20番目にローマ帝国がありました。
なんと、大日本帝国は、18番目にありましたので、ローマ帝国よりも大きな領土を持っていた事になります。
そんなに大きな領土を手にして、何を目指していたのでしょう。
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950. [紡][ボウ][つむ-ぐ][画数:10画][部首:糸]
『筋紡錘』
この筋紡錘と言うのは、筋肉のセンサーと言っても良いと思います。筋肉は伸びるのですが、伸びすぎると切れてしまいます。そこでこれ以上伸びてはだめだと言う信号を送らなければなりません。その役目をするのが、この筋紡錘です。
もう一つ腱紡錘と言うのがありますが、筋肉が伸びすぎるのを防ぐセンサーが筋紡錘で、この腱紡錘は、筋肉を弛めるセンサーだと思って下さい。
身体を柔軟にしたいと思って、ストレッチをすると思いますが、この二つのセンサーを知っていると、上手く柔軟な身体を作る時に役立ちます。
今は、昔のように反動をつけて無理矢理身体を柔らかくしようとするのは、反って固くしてしまうと言われています。
そのために、静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)と言う反動をつけないで、身体を柔らかくする方法をとっています。
なぜ反動をつけないかと言いますと、伸張反射と言って、急に筋肉を伸ばすと、筋紡錘がセンサーになってストップをかけるようになります。
伸ばそうとしているのに、逆に縮もうとするのですから、柔軟体操になりません。
そこで、静かに伸張反射が起こらないように、伸ばしていきます。それでも、常に縮もうとしているのが筋肉の特性だと思って下さい。
この縮もうとするのが、実際にやって見ると、痛みになります。しかし、この痛みを感じて、少し痛みがあるのを感じながら、ゆっくり伸ばしていくのが、一般的に言われる、痛痒い感じ、もしくは心地よい痛みと言われているものです。
しかし、ずっと筋肉が伸ばしっぱなしになると、腱紡錘のセンサーが働き、これ以上伸ばしていては筋肉が壊れてしまうと判断し、筋肉に弛めるように指令を出します。
この腱紡錘が働くまでの時間が、10秒から30秒かかるようです。ですからストレッチは概ね30秒くらいは時間をかける必要があるのです。
詳しくは小さい筋肉と大きい筋肉で反応は違いますが、私はどの筋肉を伸ばす時も、30秒を目安に数を数えるようにしています。
現在柔軟性に難のある人、参考にして毎日少しずつ柔らかくしていきましょう。特に歳を重ねると、直ぐに固くなってしまうようです。
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