中学校で習う漢字三体字典 Part188

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

936. [][ホウ][くず-れる][くず-す][画数:11画][部首:山]

『瓦解土

 そうですね。砂上の楼閣もそうですが、根元が腐ってしまうと、上がいくら頑丈で立派であっても、崩れるのは火を見るよりも明らかだと思います。
 すでに出来上がった物の根元がどうなっているのか、検証するのは難しい事ですが、今の日本はどうなのでしょう。
 今回の新型コロナウイルスによって、世界の仕組みが変わろうとしています。果たして日本はどのような変革ができるのでしょうか。根元から見直さなければならないかも知れません。

楷書 行書 草書

937. [][ホウ][はち][画数:13画][部首:虫]

準長目ほうせつちょうもく

 鼻筋が通って、目が細くて長い人は、みんな思いやりがなく、陰険なのでしょうか。あるいは抜け目のない人なのでしょうか。
 どちらも当てはまっていないので、心配していませんが、容姿でどうこう言われるのは、たまったものではありません。
 外見で人を判断して、色眼鏡で見ないように、と思いますが、外見ではこの四字熟語以外でも色々な風評があります。
 時には、自分の事を棚に上げて、そんな事がふっと浮かぶ事もあります。ダメですね。

楷書 行書 草書

938. [][ホウ][あ-きる][あ-かす][画数:13画][部首:食]

『長者富にかず』

 でしょうね。欲深さは、持てば持つほど深くなると言う感じがします。
 個人で島を買い占めて、何をしようと言うのでしょうか。
 世界の金持ち26人の総資産が、世界人口のうち所得の低い半数に当たる38億人の総資産と同額の富を握っているとの報告書を、国際NGO「オックスファム(Oxfam)」が発表しています。
 こんなに格差ができれば、今話題に上っているベーシックインカム(basic income)も考えなくてはならないかも知れません。
 この最低限所得保障が、資本主義の世界で話題になる位ですから、余程格差が広まっているのかも知れません

楷書 行書 草書

939. [][ホウ][ほ-める][画数:15画][部首:衣]

『一にめられ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪ひく』

 これ何だと思いますか。くしゃみの回数だそうです。
 そう言えば、くしゃみをすると、誰か噂をしている、などと言いますね。
 じゃ、花粉症のように立て続けに、くしゃみをした場合は、五に花粉症、とでも追加したいですね。

楷書 行書 草書

940. [][ホウ][ぬ-う][画数:16画][部首:糸]

『天衣無

 「表面をよく見せようと技巧を凝らしたりした跡が無く、自然のままに完成されていて美しいこと。詩や歌、文などで飾り立てたことを他者に感じさせることなく、自然のままに美しく完成していることや、悪気のない素直な人柄のことをいう。
「天衣」は天に住む者の着物のこと。
「無縫」は着物の縫い目がないこと。
天に住む者の着物は、縫い目もないのに完成されていて美しいという意味から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】。
 何か勘違いして覚えていたような気がします。
 どちらかと言うと、わがままで、粗野な印象をもっていましたが、違うのですね。
 天真爛漫も同じで、ちょっと人迷惑な感じで捉えていました。これも、「飾らず自然のままの姿があふれ出ているさま。生まれつきの素直な心そのままで、明るく純真で無邪気なさま。」【出典:新明解四字熟語辞典 三省堂.】。
 ただどちらも自然のまま、純粋であれば、現在の世の中では、異質に見えるかも知れませんね。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の936.~940.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【崩】山部(さんぶ)・やま・やまへん
  2. 【蜂】虫部(きぶ)・むし・むしへん
  3. 【飽】食部(しょくぶ)・ショク・しょくへん
  4. 【褒】衣部(いぶ)・ころも・ころもへん
  5. 【縫】糸部(べきぶ)・いと・いとへん

 ・・・・つづく。