中学校で習う漢字三体字典 Part143

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

711. [][チン][画数:11画][部首:阜]

『新代謝』

 私は食事をすると冬でも熱くなり汗をかく時も多いです。特に辛い物を食べた時でもないのにです。
 小学校の時に一時期、五目そばに凝っていて、百貨店に行くと、夏でも五目そばです。そんな時は、汗が噴き出ます。
 もしかしたら新陳代謝が激しいのかも知れません。いや夏に五目そばは、誰でも汗まみれですね。
 ただこの言葉、細胞の新陳代謝の事を言う場合と、古いものが新しいものに次々と入れ替わることを言うのですから、組織やスポーツ選手あるいは、社員の新旧交代などにも使われています。

楷書 行書 草書

712. [][チン][しず-める][しず-まる][画数:18画][部首:金]

守の森』

 「森」は「杜」とも書きます。都会で住んでいるとそんな環境はだんだんと薄れて行きました。
 昔は、その地域その地域に根差した神社があり、その神社の周りは森で囲まれていました。それが『鎮守の森』です。読んで字の如く、その地域を守っている神様がいたのです。今でも氏子と言う名前は残っていますが、ただお金集めのためだけのような気がします。
 なぜ「鎮守の森」が無くなって行ったのか、私の思い違いなのか、調べて見ました。
 なんと、「1906年の神社合祀令をきっかけに、鎮守の森は伐採されることが増えていきます。」と言う記事を見ました。そうなんですね、私が生まれるずっと前から「鎮守の森」は徐々に消えつつあったのですね。

楷書 行書 草書

713. [][ツイ][画数:12画][部首:木]

一里撓いちりどうつい

 現在でも、「風評」と言うのがあります。「火のない所に煙は立たぬ」とは言いますが、この場合は、火のない所から火が立ち上る現象もあると言う事を表した言葉です。
 9年経っても、東日本大震災の放射性物質の流出に伴い風評被害が依然として残っているようです。一度浸透してしまった噂を収束するのは並大抵の事ではありません。
 人の噂も七十五日とは言いますが、自分に被害が及ぶとなると、例えそれが風評と分かっていても、なかなか拭いきれないものがあると思います。
 今年になってから、コロナウイルスが猛威を奮っています。いつ収束するか予断を許さない状況です。一時トイレットペーパーが無くなると言う噂が立ちました。50年前の石油ショックで経験しているはずなのに、同じパニックが起こりました。
 しかしこのコロナウイルス騒動はいつになったら収束するのでしょうか。

楷書 行書 草書

714. [][ツイ][画数:15画][部首:土]

空花乱くうげらんつい

 日本テレビ2020年1月期土曜ドラマ「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」の最終回が3月14日に放映されました。
 このテレビを視聴していて、如何に人間は不安定の中で生きているかを実感しました。
 ほんの僅かの傷が、全く違う世界を見せられ、しかもそれが真実だと思えるのですから、真実とは何かを考えさせられます。
 そんな空想、妄想、幻想の類が起こるとしたら、正にこの四字熟語「空花乱墜くうげらんつい」の世界を見る事になります。

楷書 行書 草書

715. [][つか][画数:12画][部首:土]

『門松は冥土の旅の一里

 どこかで聞いたような言葉です。頷いてしまいます。
 最近はあまり家々に門松は置かないようですが、それでも大きなビルの前にはお正月になると飾られています。
 この言葉の後に「めでたくもありめでたくもなし」と詠った狂歌があります。室町時代の僧、頓智で有名な一休さん、一休宗純の短歌だそうです。
 お誕生日をお祝いしたり、還暦や古希あるいは喜寿なども同じで、お祝いと同時に年老いて行く事にもなりますから、やはり「めでたくもありめでたくもなし」でしょうか。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の711.~715.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【陳】阜部(ふぶ)・おか・こざとへん
  2. 【鎮】金部(きんぶ)・かね・かねへん
  3. 【椎】木部(もくぶ)・き・きへん
  4. 【墜】土部(どぶ)・つち・つちへん
  5. 【塚】土部(どぶ)・つち・つちへん

 ・・・・つづく。