中学校で習う漢字三体字典 Part204

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

1016. [][ユウ][画数:12画][部首:衣]

『富税』

 こんな税があったのですね。日本でも導入されていた時期がありました。1950年から1953年の僅か3年ですが、個人の資産把握が困難と言う理由で廃止になりました。
 私が時計屋をしていた時には、物品税がありました。
 色々な形で税金を徴収して、国の運営に使われているのでしょうが、未だにその使途が、国民には不明な点が多いのが残念です。
 消費税も考えた末の税金なんでしょうが、私は個人的には物品税の復活と同時に消費税の廃止、と言うのが良いと思っています。
 でなければ、これだけ格差社会が定着しつつあるのですから、富裕税もありかも知れません。
 ただ、一部の人が税金を使ったり、余計な箱モノに税金を投入するのだけは、もうやめた方が良いでしょう。
 今回の新型コロナウイルスで、国民皆保険制度の良さが見直されたと思います。その為の医療が疲弊しては元の木阿弥です。富裕層から税金を徴収して、医療体制を今以上に整えてはどうかと思います。

楷書 行書 草書

1017. [][ユウ][お][おす][画数:12画][部首:隹]

『英欺人』

 2020年5月5日のブログの955.に「功を成す者は衆にらず」と言う諺を取り上げました。
 この四字熟語も、功を成す者とは限りませんが、英雄と呼ばれる人も、人に意見を求める事がなく、逆に衆を欺いて行動を起こすのでしょう。
 本人は欺く気持ちがあるかどうか、判りませんが、少なくとも自分の考えを押し通すと思います。ですから、普通の人の予想を超えたアイデアをひねり出せるのかも分かりません。
 確かに、現状を打開して新しい事を生み出そうとすると、そんな奇抜な計略が必要なのかも知れません。

楷書 行書 草書

1018. [][ユウ][さそ-う][画数:14画][部首:言]

『威迫利

 人の上に立つ人は、人を使うのが上手くなければ、その地位を維持する事は出来ないでしょう。一人で出来る事は僅かな事だと知っているのでしょう。
 しかし、その使い方によっては、反感を買ったり、逆に尊敬されたりするのが、人の扱い方です。
 この四字熟語も、色々手を替え、品を替えて人を従わせる言葉です。脅したりすかしたり、あるいは誘惑したり、上に立つ人も大変です。
 しかし、上司のたった一言で興覚めしてしまう場合もあります。私も何度か、そんな一言を聞いたことがありました。

楷書 行書 草書

1019. [憂][ユウ][うれ-える][うれ-い][う-い][画数:15画][部首:心]

いもつらいも食うての上』

 そうですね。衣食足りて礼節を知る、って言いますが、衣は兎も角、食べられなくなったら、何も考えられないでしょうね。
 それにしても、最近日本は裕福になったと思います。もちろん、明日の食べ物をどうして調達しようか、考えている人もいるとは思います。私もそんな時期がありました。
 自分の事より、家族の食事の事を考えると、切羽詰まった気持ちになります。私の場合は運が良かったのか、周りの人のお陰で、何とかそんな環境を脱出する事が出来ました。
 格差社会と言われていますから、そんな人も大勢いるのかも知れません。
 特にこの新型コロナウイルスのせいで、職を失った人、あるいは事業がうまく行かなくなって、倒産の憂き目にあった人、様々な人が路頭に迷っているのではないでしょうか。
 緊急事態になれば、その時だけに機能する法律を作って置いた方が良いような気がします。
 主権在民ですが、個人の自由を制限できるような工夫は出来ないのでしょうか。
 私などは、公の秩序を乱すものは、自由を剥奪できるようにしないと、個人の自由を満たすために、主権在民の国が滅びるような気がしてなりません。
 憲法13条には、「公共の福祉に反しない限り」と国民の権利を制限していますし、民法90条にも「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」と、個人の権利は無制限ではない事を決めていると思うのですが。

楷書 行書 草書

1020. [][ユウ][画数:16画][部首:虫]

通無礙』

 思考や行動が自由と言っても、前の項で書いたような法律上の事では無く、人は何かに制限されて社会生活をしていると思います。
 しかも、それが自分自身の拘りであったり、思い込み等、人から制限を受ける事もないのに、窮屈に考える事が往々にしてあると思います。時にはそれが地位であったり、名誉や財産を守る為かも分かりません。
 この四字熟語は、そんな束縛から逃れて、自由な発想や行動をする時に使われます。
 しかし、社会生活をしている限り、自分の自由を尊重すれば、他の人の迷惑になる場合もあります。
 やはり、社会的な動物である我々が、あまり個人の自由を主張するのはどうかと思うのですが。なんでも行き過ぎは、バランスを崩すと思っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の1016.~1020.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【裕】衣部(いぶ)・ころも・ころもへん
  2. 【雄】隹部(すいぶ)・ふるとり
  3. 【誘】言部(げんぶ)・ことば・ゲン・ごんべん
  4. 【憂】心部(しんぶ)・こころ・りっしんべん・したごころ
  5. 【融】虫部(きぶ)・むし・むしへん

 ・・・・つづく。