中学校で習う漢字三体字典 Part209

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

1041. [][ライ][たの-む][たの-もしい][たよ-る][画数:16画][部首:貝]

『鬼もめば人食わず』

 いやいや、頼んでも食ってしまうのが、鬼のような気がします。
 ただこの諺は「天邪鬼」に言われる鬼かも知れません。しかし、天邪鬼の場合は、人の言う事に何でもかんでも反対する人の事を言うのですから、頼むとか頼まれないとか、関係ないかも知れません。
 しかし、その何でも反対する事を逆手に取って、食って下さい、と頼めば、食われずに済むかも知れません。
 ただ自分に置き換えると、頼まれれば、少々の無理難題でも、仕方なくやってしまっていたような気がします。
 頼まれもしないのに、お節介をやいた事も度々あります。しかし、ある事を境に、出来る事と出来ない事を区別するようになりました。
 出来ない場合は、親切と思っても、相手に迷惑になる場合があると思ったから、と言うのがその理由です。

楷書 行書 草書

1042. [][ラク][から-む][から-まる][から-める][画数:12画][部首:糸]

『脈通徹』

 これがなかなか難しいと思います。ただ、私が発言する時、あるいは文章を書く時に、一番注意する点は、この脈絡通徹です。
 この意味は、初めから最後まで主旨が一貫していて、筋道に間違いがなく、そして理解しやすい事です。
 なぜ、難しいかと言いますと、過去に発言した、又は書いた事と矛盾すると、その信頼度が無くなってしまいます。
 前にも記述しましたが、そんな時は、必ず前言を撤回してから、新しい事を述べないといけないと思っています。
 ただ、最近は老人ボケかも分かりませんが、前に言った事、記述した事を忘れている場合があるかも知れません。そんな時は、大目に見てください。

楷書 行書 草書

1043. [][ラク][画数:13画][部首:酉]

酸菌』

 この酪酸菌と言うのは、腸内の短鎖脂肪酸の一種です。腸内の菌と言うと、ビフィズス菌が有名ですが、この酪酸菌は最近話題の腸内菌らしいです。
 腸活と言う言葉まで流行っているようですが、私にとっては、「サツマイモ」様々です。
 しかし、巷では酪酸菌が話題に上っているようです。この酪酸菌と言うのは、サツマイモなどの食物繊維を発酵・分解して「酪酸」を作るのが役目だそうです。他にも酢酸、プロピオン酸などがあるそうですが、これを短鎖脂肪酸と言っています。
 酪酸菌しか作る事ができない酪酸が、大腸のエネルギー源として細胞に働きかけ、腸内環境を改善していくという、新たな腸活が注目されているようです。

楷書 行書 草書

1044. [][ラツ][画数:14画][部首:辛]

腕』

 仕事の出来る人、処理上手な人を想像できます。別の言い方をすれば、敏腕とかすご腕。
 敏腕刑事などと言いますが、判断が素早く、テキパキと躊躇する事無くこなしていくような人です。
 一方では、かなり厳しい方法で、人に迷惑をかける事もあると思うのですが、結果重視で物事を解決していく姿は、頼りがいがあると言えるかも知れません。

楷書 行書 草書

1045. [][ラン][画数:18画][部首:水]

僭賞せんしょうらんけい

 信賞必罰は、組織を運営するためには、その組織で働く人を束ねる方法としては大切な要因だと思います。
 しかし、この「僭賞濫刑せんしょうらんけい」は、本来厳格であるべき信賞必罰を、恣意的な判断で運用したり、好き嫌いによってなされる場合、度を越した刑罰を与えたり、必要以上の褒美を与えたりしてしまう時に使います。
 温情も一つの人の扱い方かも知れませんが、適した罰は、本人も受け入れる事ができるし、周りの人も納得できるので、必要な人心掌握が出来ると思います。
 褒美も適切にしないと、余計な嫉妬を生み出す事になりかねません。
 こんな時は、大は小を兼ねる事はありません。適切で、皆が認める事をしないと失敗するでしょう。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の1041.~1045.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【頼】貝部(ばいぶ)・かい・かいへん・こがい
  2. 【絡】糸部(べきぶ)・いと・いとへん
  3. 【酪】酉部(ゆうぶ)・とりへん・ひよみのとり・さけのとり・とり
  4. 【辣】辛部(しんぶ)・シン・からい
  5. 【濫】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず

 ・・・・つづく。