中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
881. [怖][フ][こわ-い][画数:8画][部首:心]
『火傷、火に怖じる』
運動をしていると、残念ながら必ず怪我をします。用心に用心を重ねていても、何度も怪我をしてきました。
一度怪我をすると意識をしていなくても、その部分を庇う様になります。意外と長引く場合もありますから、稽古で克服していかなければなりません。
また意識している間は、集中できませんから、治っていると言えなのかも知れません。怪我は心に負った傷と言うと大げさになりますが、それも含めて完治と言うのかも知れません。
この言葉は、そんな時に使うと思いますが、必要以上に恐れる必要はないかも知れませんが、空手の場合には、恐れも大切な要素ですから、無防備になるより、ある意味進歩と見た方が前向きかも知れません。
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882. [附][フ][画数:8画][部首:阜]
『群蟻附羶』
利益があると見ると、この言葉のように蟻のように群がってお金にしようとする人が如何に多い事か。本当に下品な人達だと思います。
もう少し克己心や、人間としてのモラルに対する誇りが無い物かと思わずにはいられません。
特に人の災難にかこつけて、利益にしようとする人が後を絶たないと言うのは、如何なものでしょうか。
いつの時代にもこんな人たちがいたのかも知れませんが、時の流れとともに、少しは人間も成長したら良いのにと思わざるを得ません。
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883. [訃][フ][画数:9画][部首:言]
『訃音』
これは、違った言い方をすれば、訃報ですが、文学的な書き方をすると、訃音になるのでしょう。
「時は耶蘇暦千八百八十六年六月十三日の夕の七時、バワリア王ルウドヰヒ第二世は、湖水に溺れて〔歹且〕せられしに、年老いたる侍医グッデンこれを救はむとて、共に命を殞し、顔に王の爪痕を留めて死したりといふ、おそろしき知らせに、翌十四日ミュンヘン府の騒動はおほかたならず。街の角々には黒縁取りたる張紙に、この訃音を書きたるありて、その下には人の山をなしたり。新聞号外には、王の屍見出だしつるをりの模様に、さまざまの臆説附けて売るを、人々争ひて買ふ。」【出典:うたかたの記 森鴎外 岩波書店.】。
その他、訃音を「しらせ」とルビが振ってあるものも見られます。
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884. [赴][フ][おもむ-く][画数:9画][部首:走]
『赴湯蹈火』
何も負担がなく、物事が達成されれば、そんな楽な事はありません。
何かを成そうとすると、ある程度の痛みや壁があるのは当たり前と思った方が良いと思っています。
この言葉は、そんな弊害をものともせず乗り越えていく気持ちを現わしているのでしょう。
その苦痛を乗り越える事で、得られる事は多いと思います。ですから、多少の危険を承知の上で挑んでみてはどうでしょう。案外上手く行くかも知れません。
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885. [浮][フ][う-く][う-かれる][う-かぶ][う-かべる][画数:10画][部首:水]
『鳰の浮き巣』
この「鳰」と言うのは「かいつぶり」と言う水鳥です。確か小学校の時だと思いますが、このカイツブリを飼っていた事があります。
なぜ飼っていたのか忘れてしまったのですが、多分怪我をしていたからだと思います。治ってから、大阪城の堀に放した記憶があります。
また、この水鳥は琵琶湖に多く生息していて、琵琶湖は別名「鳰海」と言われたそうです。
この諺は、カイツブリの巣が浮いている草で出来ているので、非常に不安定であることから、人生の浮き沈みに譬える時に使われる言葉だそうです。
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