中学校で習う漢字三体字典 Part165

 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

821. [][ハク][と-まる][と-める][画数:8画][部首:水]

『梁山

 一時パチンコのプロのグループに梁山泊と言うのがありましたね。
 ここに取り上げた「梁山泊」は、その語源由来となったいきさつです。
 場所は中国、黄河の度重なる氾濫で作られた海抜ゼロメートル以下の内陸低地で、現在の山東省西部と言われる近くに梁山と言う呼ばれる山があったので、この地帯を梁山泊と呼んでいたようです。
 一時、この梁山泊が盗賊や政府に反抗する者たちの巣窟となり、宋王朝を困らせたと云われています。
 そして、「宋江そうこう 三十六人をひきいて斉・魏に横行し、官軍 数万なるも敢えて抗する者無し」と云われる程の勢力があったようです。
 この事を元に「水滸伝」と言う物語が作られたという事です。そんな事情から、日本では有志の集まる巣窟を表す言葉として現在でも使われるようです。

楷書 行書 草書

822. [][ハク][せま-る][画数:8画][部首:辵]

『命旦夕にる』

 「「旦夕」は朝晩のことで、命の終わりがこの朝か晩かというように迫っている意から。」【出典:ことわざ辞典ONLINE.】。
 死刑囚の一日はこんな気持ちなのかも知れません。
 しかし、普通に暮らしていては、命の灯が消える事を予知するはできないと思います。
 それでも、自らの死を予言した人は沢山います。お釈迦様の最後は有名です。その他死を悟った僧侶の話は、今でも伝わっています。
 私にもそんな友人が居ました。彼は自分の死を目前にして、自分の葬儀の準備をし、会社に戻って会社の今後について語ったそうです。病気だったとは言え、私には真似のできる事ではありません。
 また、私の父もお正月にぽつりと、これが最後の正月だと言った事が今でも耳にこびり付いています。その時は、笑いでごまかしましたが、その年の夏に倒れて、ついに帰らぬ人になってしまいました。
 さて、私の最後はどうなんでしょう。まったく想像ができません。

楷書 行書 草書

823. [][ハク][は-がす][は-ぐ][は-がれる][は-げる][画数:10画][部首:刀]

『後からげる正月言葉』

 剥げるのは、頭だけで勘弁して下さい。いや禿げるの間違いでした。
 この言葉はメッキが剥がれるという事です。その時だけ取り繕って飾り立てた言葉は、すぐに化けの皮が剥がれると言った意味だと解釈できます。
 ただ、正月に改まって慣れない言葉を使うのも、私は一つの儀式として、そんなに悪くは無いと思っています。
 通常とは違う言葉や態度も年の初めに、年が変わって改まると言う意味では、効果があるように思います。
 最近はそんな改まる儀式が、生活の中から減っていくように思うのは私の認識の違いなのでしょうか。昔は、もっとそんな風情があったように思うのですが。
 ちなみに、「剥」という漢字を使いましたが、現在は水の上の文字が違います。しかし、コンピュータによっては、「剥」の文字が出てきます。これは異体字と呼ばれるようになりましたが、書き文字の場合はどちらでも良いとの事、しばらくは混在するような気がします。

楷書 行書 草書

824. [][ハク][画数:11画][部首:舟]

来』

 何故か今でも不思議な事ですが、戦争に負けたその相手の国に理想を見たのでしょう。ただ、日本と言う国がその日の食べ物も無い時から、あっと言う間に復興した力は、そんな所にあったのかも知れません。
 舶来、と言う言葉の裏には、憧れが詰まったいたように思います。
 今では、そんな舶来よりも、国産に信頼と人気が出てきたのは、喜ばしい事です。特に品質に関しては、世界の国から称賛を浴びています。
 そんな日本を大切にしたいと思います。

楷書 行書 草書

825. [][ハク][うす-い][うす-める][うす-まる][うす-らぐ][うす-れる][画数:16画][部首:艸]

氷を履むが如し』

 私の人生がまさに、この言葉のように、薄氷を履むような毎日では無かったかと思います。
 私が小学生の後半だったと記憶にあるのですが、アメリカのテレビ番組「タイトロープ」が印象的でした。
 内容はおとり捜査で、その正体が見破られる瞬間に、背中に隠し持った拳銃を見事に操り、相手をやっつけると言う、どちらかというと、拳銃さばきに魅了されたのですが、そのハラハラドキドキする内容に心惹かれたのだと思います。
 そして、その題名「タイトロープ」と言う言葉が脳裏に残っていて、番組が終了した後でも、危険と隣り合わせの状態になると、この言葉を思い出しました。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の821.~825.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【泊】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  2. 【迫】辵部(ちゃくぶ)・しんにょう・しんにゅう
  3. 【剝】二部(にぶ)・ニ
  4. 【舶】舟部(しゅうぶ)・ふね・ふねへん
  5. 【薄】艸部(そうぶ)・くさ・くさかんむり・そうこう

 ・・・・つづく。