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【空手の代表的な攻撃技、「追い突き」について、練習する前に知っておくべき事】 |
空手の技の中でも、特徴的な技として挙げられるのが、「追い突き」でしょう。これも、「順突き」の一つです。
遠い間合いから、一気に間合いを詰めて、攻撃する事ができます。特に私が学んだ松濤館流の場合は、構えている歩幅が広いため、実際には使い勝手が悪いという方もいますが、慣れると意外と役に立つものです。
しかし、ほとんどの場合は、初動に居つきが見られたり、初動のための無駄な動作(よいしょ、っという感じ)がでてしまいます。やはり、歩幅が広い為でしょうか。
ここでは、前屈立を例に、個人にとって適正な歩幅と、居つかない初動について、経験からベターだと思う方法を、述べたいと思います。
適正な歩幅に近い基本的な前屈立。
- 通常初心者に対しては、個人に適正な歩幅ではなく、一般的に適正とされる範囲で、歩幅を教えます。
- その一つが、前の足の膝を立てて、後ろの足の膝を床に着きます。両足は閉足立から後ろ足を引いた位置です。前足の踵から、握りこぶし2個縦に作り、その後が後ろ足の膝の後ろです。後ろ足は踵を上げて、上足底で床に接しています。
- そのまま、後ろ足の膝を上げて、足裏全体を付け、足先の方向を45度に向けます。
- この時、前の足を肩幅分だけ横に移動して、前屈立ちが出来ます。
- 前足の膝の折り方は、膝から垂直に下した線が足の長さから出ない位置です。
個人に適した前屈立の歩幅。(経験上動きやすいという理由で、科学的根拠はありません。)
- 肩幅ではなく、骨盤から垂直に下した線に両足の足刀が来るように足を開きます。(ただし、太ももどうしが接触する場合は、接触しない程度)
- 後ろ足を引くか、前足を前に出して、適当に前足を屈します。
- 後ろ足の先は、できれば、45度から少し鋭角にします。自分が動きやすい角度を見つけましょう。
- 後ろ足の踵を上げて、親指と人差し指の間の上足底だけ床に着けます。
- 後ろ足を上げた時、頭の高さを変えずに、上半身を垂直に前に移動して、前足の鼠径部が前足の踵の真後ろに来る場所が、前後の足の歩幅です。
- 横幅は、両太ももが床と平行になる位置が適正です。(ただし、太ももどうしが接触する場合は、接触しない程度)
- 前足の折り方は、前足の膝から垂直に下した線が、足の長さを出ない範囲であることは、基本的な前屈立と同じです。
次の動画は、適正な歩幅に近い基本的な前屈立と個人に適した前屈立の歩幅で立つ方法を表しています。
それでは、左足前前屈立ちを例に、初動について見ていきましょう。
- 後ろ足の足裏を床に押し付けると同時に、左膝を抜きます。抜き方はカックンと後ろから膝を当てられた時の状態です。
- 膝を抜きますが、腰を引かずに鼠径部を膝の前に出すように、上体を垂直のまゝ前に移動させます。
- この時、後ろの足裏に圧力を感じた瞬間、床からの反作用をそのまま前足の膝と前足の鼠径部に伝えます。
- これで、重心を前足の垂直軸を僅か超えた位置まで、移動できるようにします。
- 重心が前足の垂直軸を超えた瞬間、前足の土踏まずから上足底に圧力を移動しながら、床を蹴り、同時に後ろ足を前に振り出します。
- 後ろ足が、前足を超える時に骨盤が正面を向きますが、肩の位置は、初動作の位置を保ちます。
- 骨盤の回転を止めると、慣性の法則により、上半身の回転が始まります。
- 上半身の回転は、肩が正面を向いた時に止めます。
- 肩が止まると、自然に慣性の法則を利用して、腕が飛び出すよう力を抜いておきます。
- 骨盤も肩も止めるのは一瞬で、前に出た腕に引っ張られるように回転します。決して、骨盤から回したり、肩を前に出して突くのではありません。
- 両膝は前へのベクトル、腰・脊柱・肩は螺旋状に上に巻き上げながらエネルギーを拳に伝える事は、前回の刻み突きと同じです。
- エネルギーの巻き上げ方で注意するのは、警戒棒(「心・技・体」の「技」【逆突き】)で説明したように、エネルギーの伝え方が、それぞれのパーツの止める動作で伝達するという事です。
では、実際の動きを、動画で確認してください。
これも、競技で行われている、追い突きとは、突き始めと突き終わりの動作は同じように見えますが、理論が全く違います。「ルールが変わるとゲームが変わる」を如実に表している例でしょう。
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