お習字から書道へ Section 2

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 文字というものは、好き嫌いがあると思います。先生と言われる人の文字でも、自分にとってはあまり好きになれない字もあると思います。

 今日紹介する文字は、前回書きましたが、学生の頃に手本にした鷹見芝香たかみしこうと言う人の文字を模写したものです。ですから好き嫌いはあると思いますが、手本にした文字は、私はとても上手で美しいと感じる文字です。
 今回、鷹見芝香たかみしこうと言う人の肩書を調べて見ました。私が手本にした本には、何一つ本人の肩書など書いてありません。

 鷹見芝香たかみしこう  

 文部省高中学校書道学習指導要綱編集委員(硬筆習字)。
 全日本書道教育協会総務。
 東京都中学校書道研究会副会長。
 日本書作院同人。
 東京都立豊島高等学校講師。
出典:ペン字いんすとーる(http://cumacuma.jp/review/review_index/pen_life/)

 
 今回から、綺麗な文字を書いて見たい人のために、まず「ひらがな」の書き方の一つを紹介して行こうと思っています。まず、50音に従って、「あいうえお」の文字から始めましょう。

「あ」と言う文字の特徴は、正方形です。二画目、縦の線はあまり曲げてもよくありません。中心線の左側に書きます。一画目の横線と三画目「の」間は、あまり広げない方が、バランスが取れます。赤枠から下に少しでていますが、これも縦書きにする場合は、必要な事です。しかし、横書きの場合もすこし長めに書いた方が良いでしょう。

「い」の特徴は横長に扁平に書くと格好が取れます。赤の点線の楕円に添うように書くと、中に広がりが出来て、文字の印象が明るくなると思います。
 二画目の線は、一画目の終わりから繋がっていると思って書くと上手く書けます。そして、右上がりに赤い斜めの点線を書きましたが、この線上に10度程度上に書くと良いでしょう。

「う」の書き方ですが、一画目を打つ位置は、中心線上にやや大きめに書く方が良いと思います。そして、二画目との間が狭くならないように書きます。二画目は赤い点線で示しているようには楕円形になるように中心線から左に抜けるように左斜めに書きます。

「え」は、やや小さめに書きます。一画目を打つ位置は、中心線上にやや小さめに、書く方が良いと思います。そして、二画目との間が狭くならないように書くのは「う」と同じです。文字全体が赤い点線で示している枠内に収まるように縦長にかきましょう。縦の線を四分割して配置を見るのも良いでしょう。

「お」の書き方は、概ね正方形に収まるように書きます。ただし、あまり大きくならない方が、他の文字とのバランスをとりやすいです。二画目の曲げて空間を作るところを「結び」と言います。結びから横に行く線は、上に上がらないようできるだけ平坦に書くと形がとりやすいですが、図のような形を目指して引きます。そして、二画目の最後は、三画目と見えない線、ここでは、赤の点線で示していますが、繋がった気持ちで書いてください。

 
 上達ポイント 

 「弘法筆を選ばず」と言う言葉は、聞いたことがあると思いますが、ここでは、筆記用具を選びましょう。

 私の経験ですが、初めは、パイロットのドローイングペンが良いと思います。理由は、一点一画を気にしなくて済み、形だけに拘れるからです。

 次はボールペンでしょう。日常で書くのが一番多いと思います。前回も言いましたが、ボールペンはボールとインクのある部分と、その外側に隙間が出来るだけ少ないものを選びましょう。

 形がある程度決まってきたら、次に硬筆(鉛筆)で書きましょう。鉛筆は思いのほか、点画を表現できます。鉛筆も硬い鉛筆よりBか2Bと呼ばれている柔らかいものを選ぶ方が、筆跡がよく分かります。

 次につけペンに挑戦してみてください。万年筆ではなく、インクにペン先をつけるペンの事です。意外と毛筆の書きぶりと同じ感触が経験できます。

 そして、最終的には、毛筆で書けるようにしましょう。毛筆の書き方については、後日に私なりのコツを書いて見る事にします。

 一口メモ  

 かな文字は、日本で生まれた文字です。『ペン習字』(鷹見芝香たかみしこう著)に書かれてある文章を引用してみます。

 『ひらがなも漢字から生まれて発達し、いろいろな変化を重ねながら今日に至ったわけですが、この過程で書かれたさまざまの人による書に対しては、いろいろと比較し批評めいたことはいえますが、「これがほんとうのひらがなの姿だ」などと断定することはできません。』

 歴史的には、奈良時代から始まったとされる借字が起源とされています。借字とは、「漢字の本来の意義と関係なくその音または訓を借りて、表記したもの。また、そのような用字法。万葉仮名や梵語の音訳字などの類。」(出典:大辞林第三版 三省堂.)

【参考文献】
鷹見芝香たかみしこう(1966)『ペン習字』 株式会社主婦の友社.

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