☆『「死なら、一瞬の苦しむで済むと…」重病の母を介護の末殺害 裁判傍聴で考えた、家族のみとり』
（神戸新聞NEXT/神戸新聞社 2019/04/05 12:46）

　「「これ以上、痛い思いをしてほしくなかった。死なら、一瞬の苦しみで済むと思った」。同居の母＝当時（９２）＝を殺害したとして殺人罪に問われた神戸市東灘区の女（７０）は、裁判でそう動機を語った。
　重い病気を患い、入退院を繰り返す母を１０年以上、献身的に介護してきたという。医師から「根治は不可能」と告げられ、母の願いもあり、昨年８月に在宅医療に切り替えた。そのわずか１２日後に事件は起きた。
　体の痛みを訴える母に何度も痛み止めや入眠剤を投与。食事ものみ込めなくなり「また苦しんだらと考えると、目の前が暗くなった」。鼻と口をふさいで窒息死させた。自殺を図るも死にきれず１１０番した。
　サポートがなかったわけではない。介護福祉士が１日３回訪問し、医師も往診。医師の診療所には看護師が２４時間対応する相談窓口もあり、女は事件当日も電話していた。「他の方法も十分考えられた。（殺害は）独り善がり」。裁判長は懲役３年６月の実刑判決を言い渡した。
　厚生労働省の調査などによると、国民の半数以上が「人生の最期は自宅で」と願う一方、実際には、７割が病院で亡くなっているという。
　背景には、在宅ケアの体制が全国的にまだ十分でないことや、患者家族の不安がある。母親を手にかけた女も、介護はしてきたが、みとる覚悟はできていなかったのだろうか。
　判決後、深く頭を下げた女。最愛の人の最期に寄り添うには、どんな準備が必要なのか。傍聴席で考え込んだ。（真鍋　愛）」

　「他の方法も十分考えられた。（殺害は）独り善がり」、本当にそう言えるのでしょうか。
　
　また、この記事を書いた真鍋さんが言っているように「みとる覚悟はできていなかったのだろうか。」と他人が言えるのでしょうか。実際に介護をしている人の環境は様々です。

　それぞれの家庭で、方法は様々だと思います。現在の法律では確かに犯罪である事には違いありません。

　しかし、実際に自分の事として考えた場合、私には法を守れるか、自信がありません。

　もちろん、すでに両親はいませんから、自分の子供にこのような辛い思いをさせたくありません。

　ますます、高齢化社会になって行くと思いますが、個人的には介護が必要でない状態で、人生の最後を迎えたいと思っています。