中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
66. [穏][オン][おだ-やか][画数:16画][部首:禾]
『穏着沈黙』
こんな人に憧れます。私と正反対です。穏やかで口数が少ない人は良いですね。
多分こんな人は心も静かに安定して、経済的にも豊かな人かと勝手に想像してしまいます。
しかし、世の中には、経済的にも余裕がある人が、必ずしもこのような穏着沈黙の言葉のように見えないのはなぜでしょう。やはり人間の煩悩のなせる業なのでしょうか。
案外それほど環境に左右されずに、「足るを知る」事で、心も豊かになり、この言葉のような立ち振る舞いが出来るのかも知れません。
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67. [佳][カ][画数:8画][部首:人]
『漸く佳境に入る』
徐々に物事の根本に触れるところまで来たときに使う言葉だと思いますが、この漸くがそこまでの道のりを現わしているような気がします。
空手道も長い年月の中で、なんども極めたと錯覚する時があったのですが、それはすぐに錯覚と気付かされます。
同時に人がする事ですから、上り坂ばかりではありません。体力的にも下降線をたどる時が必ず来ます。これは、経験上の話で、人によってその角度は違うでしょう。
と、漸くそんな客観的な気持ちになっています。
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68. [苛][カ][画数:8画][部首:艸]
『苛政は虎よりも猛し』
良く昔のことわざに虎が引き合いにだされます。よほど野生の虎は、人間にとっても強敵だったのでしょう。
確かに動物園でトラやライオンを見ると、その大きさに圧倒された事がありました。小学生の頃でしたが。
こんな虎のような悪政をするリーダーが現れたら、国民が黙っていない、そんな世の中になったような気がします。香港のように。
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69. [架][カ][か-ける][か-かる][画数:9画][部首:木]
『屋上 屋を架す』
屋と言うのは、屋根の事ですから、屋根の上にもう一つ屋根をつくるのは、無駄な事だという意味で、よく使う言葉だと思います。
現実にそんな事はしないと思いますが、屋根でなければ、人生そんな事ばかりと思いませんか。
無駄を承知の事もあるかも知れませんが、大概の場合は、知らずに無駄な事をしています。
前にも書いたと思いますが、「自明性の時代」(加藤諦三著作)が書かれたのは1980年と言いますから、今から39年前になります。そんな前から人々は、無駄な事を排除するようになったのかも知れません。
私は、人間のやる事は、その時に無駄だと思っても、その無駄を活かして次に進む知恵があると思っています。
そして、確かこの本に、バッターが打った球を最後まで諦めずに追う外野手の姿が書かれてあったと思いますが、プロ野球の選手なら、打った直後に直ぐに取れないと判断するでしょうが、それでも最後まで追いかける人に好感を覚えます。
そんな生き方をしたいと思います。もしかしたら、という事が人生には何度も起きるのですから。
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70. [華][カ][(ケ)][はな][画数:10画][部首:艸]
『栄耀栄華』
何をもって、幸せと感じる事ができるのでしょう。この言葉のように栄耀栄華、何不自由なく生活していても、不幸を感じる人がいます。
また、その事によって不幸を呼び寄せる場合もあります。
まあ、普通に生活できるのは、一番幸せかも知れません。母が「上見たらキリが無い、下見てもキリが無い」とよく言ってました。
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