中学校で習う漢字三体字典 Part25

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

121. [][カツ][くず][画数:12画][部首:艸]

一裘一いっきゅういっかつ

 極貧を表わす言葉でしょうか、「きゅう」は毛皮の服の事ですから、現在の価値観では裕福と思ってしまいます。
 また、「くず」も葛湯くずゆとか葛根湯かっこんとうと言われる漢方薬、あるいは葛布くずふという織物になります。今ではおしゃれな布として珍重されているようです。
 時代が変われば、そんな貧乏のどん底を表わす言葉に引用されていた物が、裕福な人が愛用する品物になっているのも面白い物です。
 もちろん毛皮は、寒い地域では必需品として活用されていますから貧富の差なく着られているのかも。

楷書 行書 草書

122. [][カツ][コツ][すべ-る][なめ-らか][画数:13画][部首:水]

稽洒脱こっけいしゃだつ

 世の中には、気の利いた言葉で人を笑わせたり、感心させたりできる人がいるものです。しかも、裏が無く嫌味がありません。そんな人に使う言葉ですが、そんな風に言われたいと思います。
 文章でも会話でも、そんなウイットのある言葉が自然と出てくるようにしたいと思うのですが、そのためには色々な事を知っておく必要があると思います。
 いっぱいある知識の中から、その場に合わせた言葉をチョイスできるようになるためには、日ごろの勉強が大切だと思います。
 今、毎日のように筆を持ち、文字を書いていますが、近頃になって、また点画の筆運びを研究しています。いわゆる初心に戻るというものです。
 書いた物は同じように見えますが、筆運びにも色々な運び方があると気付いたところです。今更ながら。

楷書 行書 草書

123. [][カツ][画数:13画][部首:衣]

を被て玉を懐くかつをきてたまをいだく

 まあ、「能ある鷹は爪を隠す」と同じように使う言葉だと思いますが、こちらは「老子」に出てくる言葉です。
 ようは優れた能力があっても、内に秘める事によって、より価値が上がると言うものです。これ見よがしにひけらかしては、折角の才能も台無しです。人から嫌味に思われないようにしましょう。
 しかし、人に言えるような才能がない場合はどうすれば良いのでしょうか。

楷書 行書 草書

124. [][カツ][画数:17画][部首:車]

『三寸之くさび

 くさびとも書きますが、私の知っている「くさび」は、斧の金属の部分の形をした物を想像します。例えばドアの下に挟んで開いたままにするような物です。
 この「三寸之くさび」の場合には、小さなものでも重要な役割があり無くすことはできない事を言っているのでしょう。
 「楔・轄」には、物を強固にすると言う意味と、割ってしまうという二つの意味があるようです。
 役者さんの世界でも、近頃よくドラマを観るのですが、主役よりも脇役の人の演技力に感心することが多いのですが、そんな脇役の演技力が高ければ高いほど、主役の存在が浮き彫りにされるようで、無くてはならない存在だと思っています。
 私が脇役と思っているのは、一時脚光を浴びたバイブレーターと言われる人達を、目立たず支えている人達の事です。

楷書 行書 草書

125. [][か-つ][画数:5画][部首:一]

偸安こうしょとうあん

 この言葉は難しいですが、「小原庄助さん」と言えば想像できると思います。「朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上つぶした」と言う「会津磐梯山」と言う民謡の囃子詞で有名です。
 楽天主義と言うのか、後先考えずに今が良ければそれで良い、という人生観なのでしょう。
 人生はある意味長い道のりだと思います。あっと言う間に過ぎ、光陰矢の如しと思うのは、過ぎ去った後で感じる事で、真っただ中ではそう感じません。ですから、色々な事を感じ、そして描きます。その一つが楽天主義だと思います。
 一時の楽天主義は大賛成ですが、それがいつまでも続いていると、小原庄助さんになってしまいます。
 ですから、やはり将来を見据えて計画を立てる事も大切だと、つくづく反省をしている今日この頃です。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の121.~125.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【葛】二部(にぶ)・ニ
  2. 【滑】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  3. 【褐】衣部(いぶ)・ころも・ころもへん
  4. 【轄】車部(しゃぶ)・くるま・くるまへん
  5. 【且】一部(いちぶ)・イチ

 ・・・・つづく。

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