中学校で習う漢字三体字典 Part41

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

201. [][キョ][(コ)][画数:11画][部首:虍]

栄心』

 自分は自分で良いと思うのですが、程度の差こそあれ、私にも虚栄心と言うものはあると思います。
 自分の実力より人に良く見られたいと思う事は、殆どの人がもっているのではないでしょうか、それとも私が一般的ではないのでしょうか。
 私の人生を振り返って見ると、そんな虚栄心も過ぎると好感を持てません。自分はどうかと言われて、改めて考えて見ると、やはり少しは、人によく見られたいと思う事が多いでしょうね。
 ただ天邪鬼の性格から、人に高く評価されると、これを拒絶するような気持ちにもなります。複雑怪奇な性格です。
 私は、ありのまま、と言うのも好きではありません。そのままで良いと言う人は、やはり稀な存在だと思います。
 人間はどこか欠けているのが普通だと思っています。私が良い見本です。
 ですから、直せるものであれば直した方が良いと思います。
 そんな努力もしないで、ありのまま、と言うのも違うような気がしています。
 虚栄心も余り過ぎると良くありません。ですから、ほんの少し自分を飾って見る事ぐらい、許してもらえるかも知れません。

楷書 行書 草書

202. [][キョ][画数:12画][部首:足]

離感』

 人と人の間は距離感の取り方で随分違います。あまり密接過ぎると嫌な面が目立ちますし、離れすぎると関係が薄くなってしまい、結局は離れていく存在になってしまいます。
 特にビジネスの世界では、同じ会社の同僚、上司、部下との関係も丁度良い距離感が必要だと思います。
 最近は、言葉の使い方を勉強する機会がないのか、先日も謝りに来た若い人が、私の言う事に、「うんうん」と返事をするので、ちょっと怒ってしまいました。馴れ馴れしいのも善し悪しと覚えて置いて欲しいものです。

楷書 行書 草書

203. [][ギョ][ゴ][おん][画数:12画][部首:彳]

『攻撃は最大の防

 ここでは、空手に限って書く事にします。
 理論的には、相手より先に攻撃する方が有利です。そして、その攻撃の手を緩めない事も勝つための方法だと思っています。
 しかし、相手の攻撃を待っている人がいます。
 さて、どちらが勝てるのでしょうか。
 まるでほこたての話です。矛盾むじゅんと言う字のように、最大の攻撃と最高の防御、どちらに軍配があがるのでしょう。
 私の経験では、防御と言うより後の先が、勝つ確立が高いと思っています。
 これは、五輪書の中の火之巻、三つの先と云事にあるたいの先に当たります。
 なぜ私がそう思うかというと、実に待つ事が上手な人に見事に完敗した事があるからです。今から54年も前の事ですが、鮮明に心に刻まれています。
 ただし、それは私の攻撃力が相手の後の先よりも劣ったからに他なりません。
 年齢と共に攻撃力も劣化の一途を辿っています。ですから、攻撃だけが最大の防御とも言えないと思うようになっています。

行書 草書

204. [][キョウ][画数:4画][部首:凵]

終隙末きょうしゅうげきまつ

 可愛さ余って憎さ百倍、とも言います。親しき中にも礼儀ありで、202.に書いた『距離感』が大切な要素になりそうです。
 特に仲が良いからこそ、逆鱗に触れてしまう事も、プライバシーに土足で踏み込んでしまう事もあると思います。
 ただ、国によっては、親しき中では礼儀は必要ではない、と主張する場合もありますから、その辺は臨機応変に付き合う必要がありそうです。

楷書 行書 草書

205. [][キョウ][さけ-ぶ][画数:6画][部首:口]

阿鼻あびきょうかん

 現在の日本では、この言葉が死語となりつつあると思うのですが、四字熟語として聞いたことはあると思います。
 小説では井伏鱒二いぶせますじさんの書いた『黒い雨』にその言葉が書かれているようです。
 この小説を読んだ事はありませんが、少しだけ内容を聞きかじっているような記憶があります。
 私の幼かったころから、黒い雨と言えば放射能の雨でした。この小説の舞台は戦争も終わりに近い広島です。原爆が投下された直後はまさにこの言葉通りの地獄であったと想像します。生き残った人も生き地獄を見て来たものと思います。
 親戚の叔父さんも、被爆を受けたようですが、運よく長生きしました。
 先日、フランシスコ教皇が来日し、長崎では核廃絶、広島では戦争での原子力使用を犯罪であるとメッセージを残しました。
 この阿鼻叫喚の世界を、二度と人間が見る事のないよう祈るばかりです。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の201.~205.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【虚】虍部(こぶ)・とらかんむり・とらがしら
  2. 【距】足部(そくぶ)・あし・あしへん
  3. 【御】彳部(てきぶ)・ぎょうにんべん
  4. 【凶】凵部(かんぶ)・かんにょう・うけばこ
  5. 【叫】口部(こうぶ)・くち・くちへん

 ・・・・つづく。

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