中学校で習う漢字三体字典 Part42

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

206. [][キョウ][くる-う][くる-おしい][画数:7画][部首:犬]

悖暴戻きょうはいぼうれい

 この四文字熟語の意味は、狂ったように凶暴で道理に反している事を言います。
 犯罪者の中にもそんな人がいます。普通の人には想像もできない事を平気でしてしまいます。
 犯罪者でなくてもギリギリセーフと言う人も、私の友人の中にはいました。
 この事に関しては、一つの考えを持っています。
 まず、「狂ったように」と言うのは誰にとって狂っているのかです。それは、大部分の人がそう思うからではないかと思うのです。
 という事は大部分の中に入れなかった人は、大部分の人から見ると、理解し難い存在だと言えます。しかも、その人が道理に反する事をしたり、凶暴であった場合は、それを何とか防ぐような事をしなければなりません。
 そこでルールを作ったのだと思います。今ではそれが法律になったと思います。
 同じ人間でありながら、異端児としてこの世に生を受けた人は、ある意味不幸な存在だと思います。
 もちろんそんな異端児と同じ社会で暮らす事は、大部分の人にも、その異端児と呼ばれる人にとっても暮らしやすい社会とは言えません。
 人間と言う社会の歪かも知れないと思っています。

楷書 行書 草書

207. [][キョウ][画数:8画][部首:亠]

年』

 私はまだ生きています。ですから享年でも行年でも没年でもありません。
 しかし、享年・行年・没年、いずれも死に関する年ですが、どんな違いがあるのでしょうか。
 没年と言うのはその人が亡くなった年を言う事は、想像できます。ただこの場合も後ろに歳を付けると、何歳まで生きたかを表わす事もあります。
 行年と言うのは仏教の言葉でしょう。この世に生を受けて現世で修行した年数と言う事になりますから、生存年数と同じです。満年齢で言う場合が多いとされています。
 では享年はと言うと、天から授かった命の年数と言う事だと理解しています。単純に生きている年数と言う意味ですが、「けた」と言う部分が、天から授かったと言う意味でこの漢字を使っているようです。通常は数え年で言います。

楷書 行書 草書

208. [][キョウ][画数:8画][部首:水]

いわんや』

 この文字、「んや」をつけると「いわんや」と読むのでした。小学六年生編109に「善人なおもて往生をぐ いわんや悪人をや」と言う歎異抄の一文を載せた事があります。その時にフリガナを振っている部分です。
 今回はその「いわんや」を取り上げました。意味は「まして」が的を得ていると思います。
 しかし、一般的にその意味は、様子を表わす場合に熟語として使うと思います。
 盛況、現況、近況などはその様子を表わしています。

楷書 行書 草書

209. [][キョウ][画数:9画][部首:山]

桟雲さんうんきょうう

 この言葉は、人里離れた山奥に架けられた橋とその渓谷に降る雨の様子ですが、町に住んでいると不思議な光景だと思います。
 自分の眼下に雲が見える事は、本当に稀です。最近はスカイツリーがテレビで映し出されると、上の方に雲がかかっている事があります。また、飛行機に乗ると雲の上を滑るように飛行機が飛びます。
 昔カブスカウトで、兵庫県姫路市にある雪彦山せっぴこさんでキャンプした事がありました。また、鳥取県の大山でも、キャンプした時にも、そんな光景をの当たりにしました。普段見慣れていないので、感激した事を覚えています。
 まったくの余談ですが、「目の当たり」は、フリガナのように「目」を「ま」と読みます。大概の人は知っていると思いますが、結構年配で、地位もそこそこある人が間違っていた事を思い出しました。

楷書 行書 草書

210. [][キョウ][はさ-む][はさ-まる][画数:9画][部首:手]

『奥歯に物がまったよう』

 最近は食事をすると、食べかすが歯に詰まって、口を濯がないと大変です。
 この話を聞いて、「ちゃうやろ」と言う人は、「奥歯に物が挟まったよう」に言う人ではありません。ストレートに言える人です。
 それは、ちゃうやろ、と思いながら、頭の中で、「それは歳だから」と思っている人も「奥歯に物が挟まったよう」に言う人ではありません。
 いやいや食べ物の話ではなく、奥歯に挟まっているのは、食べかすではなく、言いたい事が挟まっている状態です。
 この事を相手に言って良いか迷っていて、言葉に詰まっている状態です。
 ですが、それは一つの礼儀として、相手を思いやる気持ちの現れでしょう。
 ここで問題なのは、隠し事をしていて口ごもるとか、自分を擁護するためにハッキリとは言わない場合です。
 そんな時は、腹を割って話をしようとか、忌憚のない意見を求めるのでしょう。
 難しいですね、ハッキリ言うと評価が下がる場合と、逆に褒められる場合がありますね。これも相手によります。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の206.~210.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【狂】犬部(けんぶ)・いぬ・けものへん
  2. 【享】亠部(とうぶ)・けいさんかんむり・なべぶた・けさんかんむり
  3. 【況】水部(すいぶ)・みず・さんずい・したみず
  4. 【峡】山部(さんぶ)・やま・やまへん
  5. 【挟】手部(しゅぶ)・て・てへん

 ・・・・つづく。

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