中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。
表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。
ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。
296. [錮][コ][画数:16画][部首:金]
『党錮之禍』
「腐敗した政治を行う宦官に党派を組んで批判したが、宦官はその者たちに党人という名前をつけ、弾圧して終身禁固刑に処したという故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE】とその由来の説明がありました。
普通は、一人に対して大勢でクレームを付けると、クレームが通るような気がしますが、権力と言うのは本当に力があるのですね。
この四字熟語は、党派を作った事で逆に災いがふりかかる意味ですが、最近の香港などを見ていると、あながち間違っているとも思えない状況です。
日本でも、世界でも、「無理が通れば道理引っ込む」ような事では、どうも納得できないと思うのですが。
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297. [顧][コ][かえり-みる][画数:21画][部首:頁]
『伯楽一顧』
人の世は、良い事も悪い事も、人によって成り立っています。社会的な動物ですから。
そして、必ず後先があります。後先と言うのは、先に生まれた人、後で生まれた人もそうですが、先にその地位にいる人、後で入って来た人。もちろん先輩後輩の関係も同じです。
そんな人間関係の中で、上司や先輩によって人生も大いに左右されると思います。いくら才能や知識があっても、それを認めてくれる人がいなければ、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。
前にこのブログで取り上げましたが、『孔子も時に遇わず』の諺も、機会に恵まれなかったので一生不遇のままで終わったとあります。孔子が不遇であったかどうかは分かりませんが、少なくとも才能に見合う境遇では無かったのでしょう。
自分の才能を解ってもらえる人に巡り合う事も、一つの運命なのかも知れません。そして、出来ればその能力を高く評価して用いてくれる人に出会えれば、納得できる人生が送れる事だろうと思います。
持っている能力を見出してくれる人の事を、この諺では伯楽と言っています。この場合は馬の目利きに長けている人の事ですが、人間も同じでしょう。
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298. [互][ゴ][たが-い][画数:4画][部首:二]
『武士は相身互い』
言葉ではよく聞きますが、そうあって欲しいものです。世知辛い世の中では、同じ立場にある者同士がいがみ合ったり、足の引っ張り合いをしているのをよく見かけます。
お互い完全な人間などいないと思い、助けたり助けられたりする事で、上手く世の中を渡って行けばいいではありませんか。
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299. [呉][ゴ][画数:7画][部首:口]
『呉越同舟』
この言葉は、『孫子が「長い間、敵対関係にある呉と越の国の人たちが、同じ舟に乗っていて転覆しそうになったときには、たとえ敵同士であっても助け合うだろう」と言ったという故事から。』【出典:四字熟語辞典ONLINE.】とその由来が書いてあります。
本当に「呉」と「越」の人達が同じ船に乗っていた分けでは無く、これは孫子のたとえ話でしょう。ちなみに、「呉」と「越」は中国春秋時代の国名で、昔からの宿敵同士であったと記録にあります。
孫子が言わんとしているのは、利害が一致すればお互いに協力することもあると言う事です。
この言葉はよく使われますが、実際の所、利害が一致してもなかなか協力関係になれないから、そんな言葉を作ったのだと思います。
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300. [娯][ゴ][画数:10画][部首:女]
『歓娯』
さて、どんな時に喜び楽しめば良いのでしょうか。人それぞれに違うと思います。
お酒の好きな人は、お酒を飲んでいる時が歓娯の極みでしょう。それぞれに趣味を満喫している時が至福の時だと思います。
そんな至福の時が、度々あるように、日ごろ頑張って仕事に励んでいるのかも知れません。
いつも苦虫を噛み潰したような顔をしないで、時にはこんな歓娯の一時を持って、人生にメリハリを付けたいですね。
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