中学校で習う漢字三体字典 Part76

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

376. [][サツ][セツ][画数:8画][部首:刀]

悪鬼羅あっきらせつ

 俳優千葉真一さんが演じた柳生十兵衛、「柳生一族の陰謀」のテレビ放映で、初めにナレーションがありました。
 [裏柳生口伝に曰く、戦えば必ず勝つ。此れ兵法の第一義なり。人としての情けを断ち、神に逢うては神を斬り、仏に逢うては仏を斬り、然る後、初めて極意を得ん。くの如くんば、行く手を阻む者、悪鬼羅刹の化身なりとも、に遅れをとるべけんや。]
 これは、「臨済録」にある「仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、羅漢に逢うては羅漢を殺し、父母に逢うては父母を殺し、親眷しんけんに逢うては親眷を殺して、始めて解脱を得ん」から引用したものと思われます。
 裏柳生口伝が実際にあるのか調べた分けではありませんが、戦いとはそういうものだと、今でも思っています。
 ですから、私は争いや戦いを極力避けようと思っています。日本空手道髓心会を創始した心も、未だに変わる事はありません。
 しかし、「臨済録」にある「殺し」と言う意味は、実際に「殺せ」と言う事では無く、一旦、全てのしがらみや知識を捨てて、新しい気持ちになる意味に捉えています。
 要するに拘りをまず棄て去る事が、大切であると言う事だと思っています。
 髓心ブログには「 文武両道のために・・・・『徒然草』を読んで見る。【46】 」に「柳生一族の陰謀」のナレーションについて、もう少し詳しく載せています。興味のある人は、是非見てください。

楷書 行書 草書

377. [][サツ][画数:9画][部首:手]

『挨

 古くは卑弥呼の時代から挨拶らしきものは存在したようです。魏志倭人伝には、「或はつくばり或はひざまづき、両手は地に拠り之が恭敬を為す」とありますが、これは偉い人に対する挨拶です。
 日本書紀に記載されているのは、「勅すらく、跪礼きれい匍匐ほふく礼は並びに止めて、更に難波朝廷の立礼を用イゐよ。」とありますので、這いつくばっての礼を天武天皇が廃止するように命令したようです。しかしこれも『続日本紀』巻四にあるように元明天皇が最近節度が無くなったと釘をさしている記載が見られます。
 日本では言葉による挨拶が定着したのはずっと後の事だったようです。これも、書き残されているのは貴族階級の事でしょうから、庶民はどうだったのでしょうね。
 昔はともかく、今では挨拶は人との関係を取り持つ役目を果たしているように思えます。
 やはり今日初めてあった人には、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」程度の挨拶はしたいものです。
 もし、こちらが挨拶をしても無視される様では、二度と挨拶もしなくなりますし、その後の関係が上手く行くとは思えません。

楷書 行書 草書

378. [][サツ][と-る][画数:15画][部首:手]

さつよう

 「要点を抜き出して簡単に書くこと。また、そういう著述。摘要。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】と載っていました。
 この言葉自体初耳です。やはり学生時代に勉強していなかった事が露見してしまいます。
 要点のみと言うのは、口で伝える場合、たとえば報告などは、要点をかいつまんで伝えるのが一般的だと思います。
 特に上司に対して言う場合は、要点が整理されていて、かつ結論から先に報告しなければ、怒られるのが関の山です。
 もちろん、この言葉は、書物にも見られます。「憲法撮要」(美濃部達吉著)は、発売禁止処分を受けたようですが、今では復刻版も販売されているようです。

楷書 行書 草書

379. [][サツ][す-る][す-れる][画数:17画][部首:手]

あかこするほど出る あらは探すほど出る』

 実際には垢が出るには限界があると思うのですが、人のした事をあら捜しすると、視点が違うので、色々でるかも知れません。それでも探すほど出るものでも無いでしょう。
 物には限界があると思いますが、コンピュータのプログラムを組んでいると、思いもかけないバグが出てきます。もちろん私の作り方が下手なんですが、自分では完璧と思っても、人に渡すと直ぐに動かなくなる事も、何度かありました。

 その度に四苦八苦して直すのですが、また出てきます。本当に探せば探すほど出てきて、修正不可能かと思う事も何度も経験をしました。
 でも、垢の方は、そんなに擦ると皮膚が破けて血がでてしまいますよ。

楷書 行書 草書

380. [][サン][画数:10画][部首:木]

さんだわら

 「米俵の両端にあてる、わらで編んだ円いふた。神饌しんせんの台盤とし、疱瘡ほうそうの神や流し雛をのせて川に流し、また胞衣えな<をのせて埋めるなど、神と人との交わりの道具としてさまざまに用いられた。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 なるほど、言われてみれば、米俵には蓋のような物が両端についています。神様と繋がるための道具として使われるのですね。これも、全く、知りませんでした。
 しかし、米俵が先なのか、神と人との交わりの道具が先なのか・・・。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の376.~380.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【刹】刀部(とうぶ)・かたな・りっとう
  2. 【拶】手部(しゅぶ)・て・てへん
  3. 【撮】手部(しゅぶ)・て・てへん
  4. 【擦】手部(しゅぶ)・て・てへん
  5. 【桟】木部(もくぶ)・き・きへん

 ・・・・つづく。

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