中学校で習う漢字三体字典 Part78

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 中学校の三年間で習う、1110文字の内の5つの漢字を書いています。漢字は2020年度施行の学習指導要領に対応しています。

 表示は左端が対象漢字、続いてカタカナは音読み、平仮名は訓読み、画数、部首の順です。そして、ことわざ・故事・文章などから一つを選んでその漢字の使われ方を示す事にしました。

 ちなみに、文部科学省では学年ごとに習う漢字は、1学年250字程度から300字程度、2学年300字程度から350字程度、3学年では、その他の常用漢字(小学校で習う漢字1026文字以外の常用漢字1110文字の大体)と学年ごとに決まっていないようです。

386. [][シ][うかが-う][画数:7画][部首:人]

傚慕きしこうぼ

 人のやり方を真似して同じようにすること、これが意味ですが、「郭タク駝という庭師は木を育てるのがうまく、他の人が覗き見して真似しようとしたが、誰も同じように育てることは出来なかったという故事から。」【出典:四字熟語辞典ONLINE.】にあるように、真似をしても同じようには出来ない時に使えば良いのかも知れません。
 ただ、学ぶと言うのは真似るとも言いますから、発端は人の真似から入るのが良いと思っています。
 空手道では、見取り稽古もそうですが、試合などを見て強い人の真似をするのも良い方法だと思います。
 物事を習得する方法としては、「守破離」と言う言葉にあるように、自分の物にしないと、ただの猿真似に終わってしまいます。
 ですから初めは人真似であって良いと思いますが、その方法を破って、その方法から独自のやり方を見つけ出して、人真似から離れなくては、学んだと言う事にはならないと思います。
 現在のお習字は、人真似、猿真似の域を出ていません。まだ真似も出来ていない状態ですが、それでも少しは自分の方法を模索している段階です。

楷書 行書 草書

387. [][シ][さ-す][さ-さる][画数:8画][部首:刀]

『寸鉄、人をす』

 この言葉は、人を刺すのですから、相手を制する時に使うのでしょう。
 その言葉は短くて相手の急所を捉えていなければ、的外れになり、制するどころか、反撃の機会を与えてしまいます。
 言葉と言うのは相手を殺してしまう、凶器にもなりますが、逆に相手を奮起させて、蘇らせる効果もあると思います。
 たとえそれが一時的に相手にダメージを与えたとしても、結果的に相手の為になるかも知れません。
 特に短い言葉の中に深い意味がある場合は、そんな効果も期待できます。
 私のようにだらだらと長い言葉を垂れ流すより、俳句のような短い言葉の方が、人を動かせると思います。しかし、これが難しい。

楷書 行書 草書

388. [][シ][画数:8画][部首:示]

 漢字一字を取り上げました。福祉と言う熟語に使われています。
 「祉」は「神(礻)がとどまる(止)ことを表した字。」が参考として挙げられ、意味は「さいわい。しあわせ。神のめぐみ。」【出典:漢字ペディア 公益財団法人 日本漢字能力検定協会.】となっています。
 ですから、福祉の言葉に使われているのですね。
 この言葉のように神が降臨して留まってもらえれば、一番良いのですが、福祉も人が人の手によって運営されています。ですから御多分に漏れず、抜け穴だらけになっているようです。
 なぜ、こうも人は愚かなのでしょうか、それとも愚かではなく、自己中心的にしか物事を考えられないのでしょうか。
 福祉に携わっている人には、神のような考えで仕事に誇りを持っている人も多数いるのでしょうが、少数の人がこれを覆してしまいます。何とも歯がゆい限りです。

楷書 行書 草書

389. [][シ][画数:8画][部首:肉]

体』

 手足の事を言う場合と、身体も含めて言う場合があるようです。四体と言うのは頭・胴・手・足も含め全身の事を言うのですね。
 五体と言うのは、「身体の五つの部分。仏教では頭・両手・両足、漢方では筋・脈・肉・骨・毛皮。また一説に頭・頸・胸・手・足。また、その五つの部分から成る体。全身。」【出典:大辞林第三版 三省堂.】。
 大変よく似ているので混乱します。特に四体と五体にはどんな差があるのでしょう。
 この辞書に「五つの書体。すなわち篆・隷・真・行・草。または古文・大篆・小篆・八分・隷。」と言うのがありました。もちろんここで取り上げた肢体とは違うのですが、五体にはそんな意味もある事を知りました。

楷書 行書 草書

390. [][シ][セ][ほどこ-す][画数:9画][部首:方]

『己の欲する所を人にせ』

 私のように人に何かをして欲しいと思わない者、ひねくれ者かも知れませんが、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」の諺の方がピンと来ます。
 簡単に言えば、「自分が嫌な事は、人にもしない」と言う事です。
 人の心は様々で十人十色と言いますから、実際の所、解かりませんが、少なくとも、自分が嫌な事は、概ね人も嫌がるだろうと推察するのが良いと思っています。

楷書 行書 草書
覚 書

 現在中学生編として、2020年度施行の学習指導要領に対応した漢字を、楷書・行書・草書と三体の文字を毛筆で書いていますが、初めに部首と書いていますが、通常呼ばれている読み方ではないと思われたと思います。

 そこで、一般ではどんな読み方をされているのか一覧にしてみました。

 今回は、中学校三年間で習う文字の386.~390.の部首を取り上げていますが、日本では部首の正式な名称は決まってないようです。辞書によって統一されていないのが現状です。

部首 部首名称 (読み方) 部首通称

  1. 【伺】人部(じんぶ)・ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね
  2. 【刺】刀部(とうぶ)・かたな・りっとう
  3. 【祉】示部(しぶ)・しめす・しめすへん・ねへん
  4. 【肢】肉部(にくぶ)・ニク・にくづき
  5. 【施】方部(ほうぶ)・ホウ・ほうへん・かたへん

 ・・・・つづく。

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